戦後革命を起こした1949年の名車 22選 欧米の「未来」を描いたクルマたち
公開 : 2024.07.14 18:05
フォード・アングリア
E93A型フォード・アングリアは現代で言うところのフォード・フィエスタであり、欧州の多くの人に「人生で初めて運転するクルマ」として選ばれた。
アングリアは他の堅苦しいライバル車に比べれば運転しやすかった。そのシャシーとエンジンはチューニング会社からも支持を集め、さまざまなスポーツカーのベースとなった。
1949年の発売から1953年の生産終了まで、E93Aは10万8000台が販売された。しかし、モーリス・マイナーやスタンダード8などのライバル車が近代的に発展していく中で、徐々に時代遅れとなっていった。
フォード・カスタム
質素ではあるが、フォード・カスタムは「ビッグスリー」が戦後初めて発表した新デザインであり、米国車の歴史において重要な位置を占めている。第二次世界大戦前に遅れをとっていたフォードの威信をかけたモデルだった。
エンジンは、226立方インチ(3.7L)6気筒と239立方インチ(3.9L)V8などを先代モデルから引き継いでいる。それ以外はすべて新しく、2ドアおよび4ドアのセダン、クーペ、コンバーチブル、ステーションワゴンなど、ボディ形状も豊富だった。
先進的なサスペンションと魅力的なスタイリングで、カスタムは大ヒットを飛ばし、コンサルやゾディアックなど1950年代の多くの欧州フォード車に影響を与えた。
フレイザー・ナッシュ・ミッレミリア
フレイザー・ナッシュは、第二次世界大戦前後のレースでの活躍により名を馳せた。そこから、有名なイタリアン・レースを連想させる「ミッレミリア」という名のモデルが発売された。
しかし、購入できる人が少なかったためにわずか12台しか生産されなかった。優れたル・マン・レプリカをベースにしており、エンジンはわずかにデチューンされたものの、決して性能不足というわけではなかった。
ミッレミリアは鮮やかな加速と素晴らしい走りを見せてくれる。
ヒーレー・シルバーストーン
ドナルド・ヒーレー氏はエースドライバーであり、メーカーであり、ホイールディーラーでもあった。
シルバーストーンは強力なパフォーマンスと優れたハンドリングを実現し、モータースポーツで瞬く間に成功を収めた。しかし、人気のナッシュ・ヒーレーの生産に集中するため、シルバートーンは早々に生産中止となった。
簡素化されたシルバーストーンは優れたレーシングカーであったが、ヒーレー氏はロードカーとしても考えていた。軽量化のため、スペアタイヤがリアから少し突き出るような形状で、リアバンパーを兼ねる設計となっている。週末のレースでは、すぐに取り外して車体を軽くすることもできる。
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