戦後革命を起こした1949年の名車 22選 欧米の「未来」を描いたクルマたち
公開 : 2024.07.14 18:05
オールズモビル88
オールズモビル88は、1940年代末期の米国の楽観的な自動車デザインを象徴する、トレンドと活気に満ちたクルマである。
未来的なボディデザインにロケットというV8エンジンを搭載し、世界初のマッスルカーとして広く知られている。1950年代のロックンロールの名曲『Rocket 88』にも登場する。
そのような歴史的な位置づけを持つ88は、単なるロードカーにはとどまらず、NASCARでもトップクラスの成績を収めた。1949年には9戦6勝、1950年には19戦10勝を挙げ、NASCARの王者に躍り出た。
ポルシェ356
1948年に手作業で組み立てられた356が何台かあったが、本格的に生産が開始されたのは1949年のことだった。
これら初期の「Pre-A」モデルは1100ccエンジンを搭載し、軽量かつ空力に優れたボディ形状を頼りに、まずまずのパフォーマンスを発揮した。
初期の356を見分けるのは簡単で、フロントウィンドウは1952年に1枚の曲面ガラスが導入されるまで分割式だった。
オーストリアからドイツ・シュトゥットガルトへの工場移転に伴い、当初はクーペのみが販売されたが、その後カブリオレも販売されるようになった。
ポルシェ356は現在、コレクターの間で非常に珍重されており、それに見合った価格が付けられている。
ロールス・ロイス・シルバードーン
ロールス・ロイスのまったく新しい時代を告げるクルマとして、シルバードーンほどふさわしいものはない。
運転手付きよりも自分で運転することを好むオーナーをターゲットにした、同社初のコンパクトなモデルである。また、外部のコーチビルダーに頼るのではなく、社内で標準化されたボディを初めて採用した。
シルバードーンは手頃なロールス・ロイスという意味合いが強かったが、何事も相対的なものであり、1949年当時の平均的な住宅価格の約6倍もした。
その分、ベントレーMkVIよりもわずかにデチューンされたエンジンを搭載し、重厚な走りを手に入れた。
ローバーP4
ローバーP4は、今日では銀行の支店長や中堅幹部クラスが選ぶような保守的なクルマと見られるかもしれないが、当時のローバーとしては急進的な設計だった。
一体感のあるモダンなフェンダー造形と米国車風のスタイリング、「サイクロプス」と呼ばれる特徴的なセンター・スポットランプが採用された。
一方で、快適性や洗練性というコアバリューを維持し、多くの支持を獲得した。P4が英国国民の日常にやさしく溶け込むにつれ、やがて「おばちゃん」というニックネームがついた。今でも人気のクラシックカーである。
画像 偉大なる「伝説」の幕を開けたスポーツカー【ポルシェ356とフェラーリ166インテルを写真でじっくり見る】 全30枚