【日本市場にジャストサイズのレンジ】 ランドローバー・レンジローバー・イヴォークPHEVに試乗
公開 : 2024.07.04 17:45
モデルチェンジするたびにどんどんヘッドライトが細くなっていく、レンジローバーブランドのエントリーモデルでもある「レンジローバー・イヴォーク」。今回は最新のPHEVモデルに試乗します。
電動化をすすめるJLR
電動化をすすめるJLR(ジャガー・ランドローバー)のなかでは、もっとも小さなプラットフォームを使ったイヴォーク。PHEVは、プラットフォームを共有化するディスカバリー・スポーツやジャガーEペイスと同時期に、他のモデルに先駆けて22MY(2021年8月発売)から導入された。
P300eと呼ばれるPHEVシステムは、1.5L直3ターボエンジンと80kW(109ps)の電動モーターを備える。エンジンが前輪を、モーターが後輪をそれぞれ駆動するシステムだ。
フロア下に収まるリチウムイオンバッテリーは15kWh。最新の25MYでは、PHEVとガソリン車を同等の価格にするというJLRの方針を受け値下げされ、2L直4ターボ搭載の上級グレードP250とまったく同じ価格に設定された。
今回試乗したのは、P300eの最上級グレードであるオートバイオグラフィーの24MY。レンジローバーブランド共通のアイデンティティでもある“モダンラグジュアリー”を具現化した、第2世代イヴォーク初のマイナーチェンジモデルだ。
仕立てのよさ
乗り込んでまず感じるのは、シートの出来のよさ。
コンパクトな外観感からは想像できないくらい立派なシートが奢られていて、座り心地も抜群。このシートのクッション性が後述の乗り心地にも寄与しているようだ。
シンプルさにますます磨きがかかったインテリア、特にコックピット周りのデザインは最新レンジローバーの手法に則ったもの。スイッチ類をできる限り廃し、大型のセンターディスプレイ内のインフォテンメントシステムに収めている。
ステアリングホイールもレンジローバーファミリーの他モデルと共通のものを採用。素材のチョイスも含め、レンジローバーらしいモダンラグジュアリー感がうまく表現されていて、このあたりの仕立てのよさはオーナーの所有感を満足させてくれるものだ。
PHEVシステムの設定は?
PHEVシステムは、モーター走行が主体になるように設定されている。一般道を走っている限りでは、ガソリンはまったく減らないがバッテリー残量はみるみる減っていく。
走行モードをハイブリッドモードにしていると、エンジンがかかる機会はほぼなかった。
バッテリーの残量が残り4kmしか走れなくなったところで、バッテリーキープモードに切り替える。するとエンジンがかかる機会が大幅に増え、その動力は走行と発電に使われるようになった。
モードはキープとなっているのだが、おもしろいことにバッテリー残量は増えていき、試乗を終えるころには残り走行距離が11kmになっていた。ある程度チャージもしてくれる、キープモードのようだ。
モーター主体の走行で気になった点は、出だしの加速感が少し弱く感じたこと。アクセルレスポンスが鋭くないという点では、レンジローバーのPHEVも同じような味付けだったので共通の設定なのかもしれない。
国産車のようにちょっとアクセルを踏んだだけでグンっと加速するセッティングよりははるかに危なくなくていいのだが、少々気になる人もいるのでは? というレベルの控えめな加速感だった。