1960年代を謳歌した名車 20選 半世紀経っても忘れられないクルマたち

公開 : 2024.08.04 18:05

ビートルズ、活気あふれるファッション、超音速旅客機……驚きと輝きと満ちた1960年代、自動車業界も大きく変化した。VWバス、フォード・マスタング、初代ミニなど、時代を謳歌した名車を振り返る。

驚きと輝きに満ちた60年代

1960年代。家庭用レコードプレーヤーがビートルズのレコードをぶん回し、鮮やかなファッションが流行し、コンコルドが初めて空を飛んだ時代。

自動車業界にも変化が起こり、忘れられない素晴らしいクルマが世に送り出された。

1960年代に活躍したクルマを20台紹介する。
1960年代に活躍したクルマを20台紹介する。

今回は1960年代を謳歌したクルマを振り返り、筆者(英国記者)の好みも含めながら紹介していきたい。

原文:マシュー・マッコーネル(AUTOCAR英国編集部)

フォルクスワーゲン・サンバ(1951年)

すでに1950年代から発売されていたサンバ(T1、ワーゲンバス)だが、1960年代のヒッピー文化において人気を誇ったことから、ここで取り上げないわけにはいかない。サンバはフラワーパワー(ヒッピーの反体制的スローガン)の象徴であり、カウンターカルチャー運動が勢いを増すにつれて、サンバは単なるバンではなく、自由への入り口とみなされるようになった。

キャンピングカーへの改造が容易で、若者の路上生活を可能にした。ヒッピーたちはサンバでフェスティバルに出かけ、平和と愛を広めるために集会を繰り返した。

フォルクスワーゲン・サンバ(1951年)
フォルクスワーゲン・サンバ(1951年)

ミニ(1959年)

ミニの発売は1959年だが、そのアイデンティティは1960年代に確立された。1957年、英国はスエズ危機による燃料価格の高騰のため、手頃な価格のクルマを必要としていた。デザイナーのアレック・イシゴニス氏がミニのデザインを担当することになり、その時の目標は「大人4人が乗れる燃費の良い小型車を作ること」だった。

イシゴニス氏のデザインでは、4本の車輪を隅に押しやり、エンジンを横向きとすることで、軽快なコーナリングと居住空間の拡大を実現した。ミニの人気は急上昇し、ロックスターからヒップスター、牛乳配達人から王族まで、誰もがミニを持つようになった。

ミニ(1959年)
ミニ(1959年)

ジャガーMKII(1959年)

MKIIは、MK1の魅力をそのままに、さらに磨きをかけたモデルである。見た目もよく、排気量3.8Lのエンジンでセダンの頂点に立った。最高速度は当時最速クラスの200km/hに達し、銀行強盗や逃亡犯の間で人気を博した。

ジャガーMKII(1959年)
ジャガーMKII(1959年)

ジャガーEタイプ(1961年)

Eタイプは最高時速240km/hのスピードと大胆なスタイリングで、富裕層や有名人の間で大ヒットとなった。エンツォ・フェラーリが「史上最も美しいクルマ」と称したという噂もある。

発売当時、Eタイプ・ロードスターの価格は約2097ポンド(現在の約1200万円)、クーペの価格は約2196ポンド(現在の約1245万円)だった。合計で3つのEタイプシリーズが作られ、1974年に生産終了した。

ジャガーEタイプ(1961年)
ジャガーEタイプ(1961年)

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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