Q:破産する新興企業のEVは買っても大丈夫? フィスカー・オーシャンは「お買い得」なのか

公開 : 2024.07.03 06:05

オーナーの見解

金融業のカヴ・パテルさんは、昨年11月にオーシャン・エクストリームを新車で購入した。彼の家族にとって4台目のEVであり、航続距離、価格、快適性、運転の楽しさに非常に感銘を受けている。

パテルさんの車両はソフトウェアの問題に悩まされたが、2か月前の2.0アップデートですべて解決したという。さらに最近、2.1の無線アップデートを受けた。パテルさんは今、それが最後のアップデートになるのではないかと考えている。

英国におけるオーシャン・エクストリームの残価の推移予測を表すグラフ。4年後には3万2000ポンド程度下がる見通しだ。
英国におけるオーシャン・エクストリームの残価の推移予測を表すグラフ。4年後には3万2000ポンド程度下がる見通しだ。

「技術的なバックアップは崖っぷちだ。優秀な訪問サポートチームが2つあるが、いつまで対応してくれるかはわからない」

パテルさんはPCPで契約しているため、現金で購入した人たちよりも有利だと感じているという。

「EVは信頼性が高いので大きな問題は心配していないし、フィスカーを買い取る企業も現れると思う。今、オーシャンを買うべきか? わたしならじっと我慢して様子を見るだろう」

EVとしての評価は?

AUTOCAR英国編集部はオーシャンの試乗レビューで「4つ星半」の高評価を付けている。筆者は今回の取材で初めて実車に触れた。いくつかトラブルはあるようだが、モデル自体は、少なくとも現在の大幅に値下げされた価格では納得のいくクオリティだ。

四輪駆動のSUVで最高出力550ps、航続距離は約640km。安っぽいスイッチ類やプラスチックも、許せる程度に仕上げられている。ボタンを押すとすべての窓が下がる「カリフォルニア」モード、「タコトレイ」と呼ばれる折り畳み式の運転席テーブル、ソーラールーフは好印象だ。

オーシャンに試乗した英国編集部は高い評価を付けた。モデル自体は注目に値する。
オーシャンに試乗した英国編集部は高い評価を付けた。モデル自体は注目に値する。

走らせてみると、速くて静かで快適だった。モデルとしては間違いなく、フィスカーの灰から拾い上げるにふさわしいと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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