AUTOCAR的 理想のニュー・カー
公開 : 2014.12.27 12:43 更新 : 2017.06.01 02:11
マクラーレンP1にポルシェ918、BMW i8、ゴルフR、フェラーリ458スペチアーレ、ロールス・ロイス・レイス……。幸運なことに、今年も幾多の素晴らしいクルマたちに出会うことができた。
けれども、更にうえのクルマを求めてしまうのがAUTOCARのロード・テスターの性。’カンペキ’ を求めれば求めるほど、そこへの道のりは果てしないものになるのである。
本質的に優れたキャラクターやその要素は、ここ最近、以前よりも勢いを増して生まれ続けている。もっともセンセーショナルなドライビング・マシンを一度でも思い描いた向きならば、それらそれぞれの要素がひとつに融合されれば……なんて夢想したことも少なくないはず。
そこで今年の終わりを飾る記事として、われわれが理想とするクルマとは一体どんなものかを改めて考えようというわけだ。いつもは荒れたウェールズの峠道で、完成品を振り回して批評することを稼業とするわれわれ。いっそのこと、どんなクルマならば、厳しくかつ辛口で有名なAUTOCAR独自の評価の極致を示すのかを考えてみようではないか。
”そんな無茶な” なんて声は百も承知。当然だ。しかし、ここれは難しいことは考えずに、最高のクルマを探し当てる(おそらく)ファンタジーの世界へと踏み出していこうと思う。
ブレーキ
完璧な冷却を怠らず、かつ舌鼓をうつフィールを提供してくれるシステム、とくればコルベット・スティングレイのそれが適役だろう。345mmのディスクはフェードの気配を一切みせず、ペダル・フィールにも抜かりはない。ただしUSスペックではなく、ヨーロッパ仕様に標準でついている ’Z51’ 版の方であることはお間違いなく。
ステアリング
これはポルシェ918スパイダーから借り受けることにしよう。重く、ゆっくりとした速度域でもたっぷりとフィードバックを与えてくれるだけでなく、無粋なフリクションの類がまったくないからだ。ステアリング・ホイールは918か、マクラーレン650Sのどちらかをくじで決めちゃえばいい。握り心地やルックスは、どちらも最高レベルである。
エグゾーストノート
ここではわざとらしい増幅装置や、スピーカーから聞かせる人工的な音のことではない、ピュアなエンジン音のみの話をしよう。ボリュームはもちろんのこと、個性を考えればジャガーF-タイプRがもっとも有力候補だろう。いや、シボレー・コルベット、メルセデス-AMG GT Sの完璧にちかいサウンドも捨てがたい。