【635ps/750Nm】トップ・オブ・新時代ディフェンダーあらわる ランドローバーからディフェンダー・オクタ発表

公開 : 2024.07.03 19:25  更新 : 2024.07.05 09:00

・ディフェンダーの新たなフラッグシップ登場
・オンロード・オフロードいずれもパフォーマンス向上
・究極のオフロード性能を発揮する「オクタモード」搭載

「ブランドを象徴するモデル」のローンチ

ジャガーランドローバー(JLR)は、千葉県のTHE MAGARIGAWA CLUBにて、ランドローバー・ディフェンダーの新たなフラッグシップ・モデルとなる「ディフェンダー・オクタ」を披露した。グローバルに世界7カ所で行われた一般公開に先立つ内覧プレイベントのひとつだ。

JLRジャパン代表取締役、マグナス・ハンソン氏は冒頭の挨拶で次のように述べた。

ディフェンダー・オクタ発表
ディフェンダー・オクタ発表    ジャガー・ランドローバー・ジャパン

「現行最新型のディフェンダーのデビューは2019年、ラグビーW杯の決勝の直後でした。クラシックとモダン・ラグジュアリーの新しい表現として、日本の市場でも今ではリーダーシップを握るほどに人気ある選択肢となっています。しかし『ディフェンダーにはトップ・ラインのモデルはないのか?』という声が顧客からあったのも事実です」

ここで英国本社から来日した、ディフェンダーのマネージングディレクターであるマーク・キャメロン氏が、こう言葉を継いだ。

「ディフェンダーの歴史は1948年に遡り、それはランドローバーの系譜そのもの。オリジナルのシリーズと同じ興奮、印象をレガシーとして引き継いで、ブランドの未来に繋げることが大事でした」

「現行型の生産は2020年に始まりましたが、新型ディフェンダーとしてDNAを継ぎつつ新しいものを提案することは簡単ではありませんでした。それから4年間、期待以上の成果がもたさられ、スロバキア工場における以前の年間生産量は、今では月間生産量になっているほどです」と続ける。

さらにキャメロン氏は「そして今回発表する新たなフラッグシップは機能や特長をさらに磨き、ランドローバー・ブランドを象徴するようなモデルの始まりとなります」と語った。

以上が「ディフェンダー・オクタ」が投入される背景というわけだ。

全方位的にハイレベルなエンジニアリング

“オクタ”は「オクタヒドロン」に由来する。それは幾何学における正多面体のひとつで、8面の正三角形で構成され、6つの頂点を結ぶ線が3方向軸で直行する。どの角度から見てもピラミッド状の三角錐を2つ合わせた双角錐のことだ。

いわばダイヤモンドのように硬質きわまりなく、タフで輝きを保つ物体、ということだろう。

ディフェンダー・オクタ発表
ディフェンダー・オクタ発表    ジャガー・ランドローバー・ジャパン

無論、ネーミングだけでなく、通常シリーズよりパフォーマンスを向上させることが必須タスクだったと、キャメロン氏は強調する。

「オンロード、オフロードとも全方位的に車両性能の質を高めることで、エンジニアリングとデザインを融合した車として、素晴らしくエキサイティングなものに仕上がっています」

具体的には、まずBMW由来のV8ツインターボマイルドハイブリッドガソリンエンジンは専用設計のヘッドとターボチャージャーとし、その制御をも見直すことで、750Nm・635psにまでトルクと出力を向上。

そして車幅を68mm拡大、車高も28mm高めることで、最大渡河深度を1mにまで引き上げると同時に、ロードホールディングは約25%も向上しているという。

車高も重心も上がっているにも関わらず路面追従性を高められたのは、ディフェンダーとして初めて、6Dダイナミクスエアサスペンションを採用しているがゆえ。

この油圧連動型のテクノロジーは「走る・止まる・曲がる」におけるピッチ&ロールコントロールを統合的に制御し、ホイールトラベルやアーティキュレーションを最適化することで、ロールを抑えて車体を水平に保つという。

もちろんディフェンダーの常として、新しいテクノロジーやシステムの信頼性を確保するため、1万4000回以上、のべ100万時間以上の走行試験を、ドバイの砂地や、アメリカはユタ州のモアブ砂漠の岩場、スウェーデンの氷雪路など、世界各地の過酷な環境で行ったという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    南陽一浩

    Kazuhiro Nanyo

    1971年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。ネコ・パブリッシングを経てフリーに。2001年渡仏。ランス・シャンパーニュ・アルデンヌ大学で修士号取得。2005年パリに移る。おもに自動車やファッション/旅や食/美術関連で日仏独の雑誌に寄稿。2台のルノー5と505、エグザンティア等を乗り継ぎ、2014年に帰国。愛車はC5世代のA6。AJAJ会員。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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