【パジェロ譲りのリアサスで勝負】チーム三菱ラリーアート参戦取材会

公開 : 2024.07.11 11:05  更新 : 2024.07.11 20:32

増岡総監督の個別インタビューも

昨年、発売直後の新型トライトンで2連覇に挑んだものの、ほぼ量産車と同じ仕様だったこともあり、ポテンシャルを十分引き出すことができなかった。

そのため、今年のトライトンのT1仕様(改造クロスカントリー車両)は、昨年の参戦結果を振り返り、高速ステージで大排気量の競合車に対抗できるように動力性能を大幅に向上。トルク容量の大きい競技用トランスミッションを新たに採用し、耐久性と操作性を向上させた。

「チームの結束力は高い」と増岡総監督。
「チームの結束力は高い」と増岡総監督。    高桑秀典

また、トレッドを拡大しつつ、リアサスペンションをリーフスプリング式からコイルスプリングを用いた4リンクリジッド式に変更。荒れた路面からの大きな衝撃を吸収し、凹凸の激しい路面での追従性を高めることで悪路走破性を大幅に向上させている。

増岡総監督への個別インタビューが可能だったので伺ってみたところ、篠塚建次郎さんが1997年に日本人初のパリダカ総合優勝を達成した際にドライブしたパジェロのリアサスペンション・ジオメトリーをトライトンに採用したそうだ。

このリアサスは新型車にも展開できるかもしれないし、AXCRに参戦することで環境への配慮や使いやすさに関するノウハウをさらに蓄積することで、ディーゼルエンジンをより長く使えるようになるかも、とも話してくれた。

また、ディーゼルエンジンを活用してのPHEVとしての可能性や、ゆくゆくはモータースポーツで得たノウハウを盛り込んだコンプリートカーを提供したいとも考えているそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事