バイクのメンテは自分でやる意味ある? 愛車アフリカツインのクラッチ交換に挑戦
公開 : 2024.07.09 06:05
英国編集部の記者がバイクのメンテナンス作業に挑戦した。ホンダ・アフリカツインのクラッチ交換は「1日で終わる」と思われたが……?
素人が難しい作業に挑戦するとこうなる?
クルマやバイクのメンテナンス作業を、自分の手でやろうとする価値はあるのか。「プロに頼んだほうがいい」という意見もあれば、「できるだけ自分でやるべき」と主張する人もいる。
AUTOCAR英国編集部のマット・プライヤー記者は、愛車のホンダ・アフリカツインのクラッチ交換に挑戦した。1日で終わるはずだったが、結論からお伝えすると、大変苦労したようだ。今回はその悪戦苦闘の様子を紹介する。素人がメンテナンスに挑戦することについて、皆さんの意見を聞かせてほしい。
バイクのクラッチ交換は簡単なはずだった…
仕事からの帰り道、バイクのクラッチが滑った。嫌な気分だ。筆者は忙しいし、バイクの車検ももうすぐ切れる。
でも「状況を変えられないなら、気持ちを切り替えろ」と友人のフレッチャーがよく言っていたので、前向きに考えることにした。新しいスキルを学ぶチャンスだ。筆者はこれまで何百台ものクルマのレビューに「クラッチが……」と書いてきたが、1台も分解したことがない。
今日、それが変わる。
バイク屋なら2、3時間でできるだろう。オーナーズクラブのWebサイトによれば、大きなナットを1つ外す以外は比較的簡単で、インパクト・ドライバーが必要だという。筆者はもう持っている。というわけで、1日あればできるだろうと思い、やってみた。
まずバッシュプレートを外す必要があるが、これはアルミ製なので簡単だ。しかし、24年モノの鉄製マフラーはそう簡単ではない。
すぐに2本のボルトを剥ぎ取り、崩れかけたブラケットを外していく。
クラッチカバーは簡単に外れ、難しいと言われていたナットを見つけた。
ナットは「杭打ち」されている。ナット周りのフランジの一部がシャフトの切り欠きにはめ込まれているのだ。ナットが緩むのを防ぐための粗雑で初歩的な設計だが、12万km走ってもびくともしなかったことを考えると、明らかに有効だ。
Webサイトではドライバーで杭を抜くように書かれていたが、できない。ノミで削り取ることもできるし、グラインダーで削ることもできるが、どちらもエンジンに金属片を残す可能性がある。
単純に、インパクト・ドライバーを使えばできるかもしれない、と筆者は読んだ。しかし、手持ちのバッテリー駆動のものでは無理だ。
筆者はかつて、ある作業に適した工具がなかったら、それを買うか、代わりにメカニックに仕事を頼むと誓ったことがある。バイクはすでにバラバラなので、買うことにした。こうして1日が過ぎた。