2023年 世界の車種別販売台数ランキング トップ30 後編 激化するEV競争、堅調な日本勢

公開 : 2024.07.13 18:25

2023年に世界で最も売れたクルマはどれか。車種別販売台数のトップ30(上位30車種)を紹介する。15位~1位はEVの台頭や中国企業の躍進など、現在の自動車業界を象徴するような展開が見られた。

15:ヒョンデ・ツーソンLWB – 42万2700台(+26%)

(この記事は後編です。ランキング30位~16位は前編の「2023年 世界の車種別販売台数ランキング トップ30 前編 躍進と急落、BYDの台頭」で紹介しています)

ヒョンデ・ツーソンLWBは前年の24位から15位へと順位を上げ、大きく躍進した。その理由は、中国とアジアにおける継続的な人気である。車名の「LWB」が示すように、欧州などで販売されている標準的なモデルよりもホイールベースが75mm長いロングホイールベース仕様だ。中国では特に、後部座席の広さが重要視されている。

15:ヒョンデ・ツーソンLWB - 42万2700台(+26%)
15:ヒョンデ・ツーソンLWB – 42万2700台(+26%)

2023年のツーソンLWBの世界販売台数は42万2700台で、前年比で8万8000台増加した。2023年後半に実施されたマイナーチェンジは、2024年の販売を後押しするだろう。

14:ホンダアコード – 45万800台(-6%)

ホンダ・アコードの2023年の販売台数は、2022年の47万9300台から6%減の45万800台となった。前年比2万8500台の減少である。ホンダはベストセラー上位30位内に4車種を擁していることから、その地位がただちに揺らぐことはないだろう。特に、アコードのようなセダンはSUV人気で大打撃を受けていることを考えればなおさらだ。

ホンダにとって悔しいのは、日産セントラやトヨタカムリのような他の中型セダンが販売台数ランキングで断固としてアコードを上回っていることだろう。

14:ホンダ・アコード - 45万800台(-6%)
14:ホンダ・アコード – 45万800台(-6%)

13:日産エクストレイル – 46万1300台(631%増)

2023年の日産エクストレイルの販売台数は、前年比で631%増という驚異的な伸びを記録した。これだけ躍進したのだから、もっと上位に立ってもおかしくないと思われるかもしれないが、2022年はエクストレイルにとって非常にさみしい年だった。新型投入を前に、先代モデルの販売台数が急落していたのだ。

新型が日本、オーストラリア、欧州、中東など多くの主要市場に登場したのは2022年後半、あるいは2023年初頭になってからだ。その結果、2022年の販売は低迷したが(48位)、新型の登場を待つ間に消費者の期待感は大きく膨らみ、2023年は13位まで回復した。

13:日産エクストレイル - 46万1300台(631%増)
13:日産エクストレイル – 46万1300台(631%増)

12:BYDクイン- 47万3300台(43%増)

BYDクイン(Qin、秦)は中国の月間販売台数チャートで何度も首位を獲得するなど、大成功を収めている。年間販売台数は非常に好調で、2022年には33万1200台で26位だったのが、2023年には47万3300台で12位に躍進している。前年比43%増と、どの基準から見ても輝かしい成長だ。

クインはバッテリーEVとPHEVが導入されており、今後もより多くの市場に向けた輸出計画がある。

12:BYDクイン- 47万3300台(43%増)
12:BYDクイン- 47万3300台(43%増)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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