【値上げしてもまだまだお買い得】 アウディRS3セダン 今や希少な純ガソリン高性能車の価値

公開 : 2024.07.12 17:45

踏めるアシ、踏めるベクタリング

アウディドライブセレクトのスイッチは、いつもセンターコンソールの端で他に紛れている。最初はコンフォートで走っていたが、オートを飛び越しダイナミックを選択。するとその先に3つのRSモードが選べるようになっていた。RSインディビジュアル、RSパフォーマンス、そしてRSトルクリアである。

今回、首都高をRSパフォーマンスで走ってみたのだが、動力性能に比例したアシの硬さの中にも、当たりの柔らかさがあり「踏める」と感じた。そして踏めば踏むほどちゃんと曲がるというのは、おそらくリアのトルクスプリッターの仕事なのだろう。

アウディRS3セダン公道試乗
アウディRS3セダン公道試乗

以前RS3とプラットフォームやパワートレインを共有するTT RSを試乗した際は乗り味がサイボーグ的に硬く、首都高のようにコロコロと路面状況が変わり、継ぎ目の多い路面では踏めそうにない雰囲気が漂っていた。

TTに比べホイールベースが少し伸び、車重も若干増えていることでマイルドになった? 見た目、動的質感ともRSの名に恥じないものであるにもかかわらず、RS3セダンはインテリジェンスもちゃんと持ち合わせていたのである。

最近はクルマ好きの間で「最後に乗る(所有する)べきガソリン車は何か?」というテーマが流行っているらしい。

欲を言えば自然吸気多気筒のスーパースポーツあたりになるのかもしれないが、RS3セダンでもその立派な候補になるはず。デビュー時に818万円だった車両価格は現在849万円まで上昇しているが、内容を考えればまだまだお買い得なハイパフォーマンス・コンパクトだと思う。

試乗車のスペック

価格:849万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4540×1850×1410mm
燃料消費率:11.1km/L(WLTCモード)
駆動方式:4WD
車両重量:1600kg
パワートレイン:直列5気筒2480cc+ターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:400ps/5600~7000rpm
最大トルク:51kg-m/2250~5600rpm
ギアボックス:7速オートマティック
タイヤサイズ:265/30R19(フロント)245/35R19(リア)

アウディRS3セダン公道試乗
アウディRS3セダン公道試乗

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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