【公道試乗会】 ホンダ新型フリードで街中に繰り出す 人気モデルの上手な進化を実感

公開 : 2024.07.17 17:45  更新 : 2024.10.02 14:00

ホンダ新型フリードで街中に繰り出し、公道試乗を行いました。初期受注の段階ではエアーとクロスターの比率は7:3から8:2とのこと。予算と使い方で自分好みのフリードを選べそうです。

初期受注ではエアーの人気が高いが…

ホンダのコンパクト・ミニバン「フリード」が3代目へとフルモデルチェンジされた。

既に現行型はモデル末期となり、新型の情報も流れていた今年上半期(2024年1〜6月)の新車販売台数でも、3万8429台と第7位に入っていた人気モデルだけに、新型への期待は否が応でも高まる。

ホンダ新型フリード公道試乗記
ホンダ新型フリード公道試乗記    花村英典

公道試乗会で街中に繰り出した新型フリード。以前にスタジオでの事前撮影会で実車は見ていたが、街中に置いた実車を見ても、その印象は変わらなかった。つまり「あ、新しいフリードだね!」

LEDなどを用いた顔つきは従来型とは異なるものの、e:HEV搭載の関係でフロントノーズは少し伸びたがサイズはほぼ同じ。そしてフロントウインドウとリアウインドウの傾斜角は従来型とほとんど変わらないことから、フリードらしいシルエットは継承されている。

新型では「エアー」と「クロスター」がしっかり差別化された。シンプル&クリーンなフォルムで、兄貴分のステップワゴン・エアーの弟分的にまとめられたエアー。最近流行のクロスオーバーSUVテイストを加えて、アウトドアテイストを強めたクロスター。

おそらく、エアーは少しおとなしすぎると思われる人もいるだろうが、万人受けするデザインだ。クロスターは好き嫌いが分かれるかもしれない。

実際、初期受注の段階ではエアーとクロスターの比率は7:3から8:2といったところだという。だが、このあたりは今後の反響次第で変わってくるところ。もう少し動向を静観してみたい。

フィットやヴェゼルに似たe:HEVらしい走り

まず最初に試乗したのは、クロスターのe:HEV(FF/2列5人乗り)。運転席に着くと、スッキリしたインパネで視界の良さが好印象だ。ミニバンゆえ目線は少し高めで車両感覚もつかみやすいから、初心者でも運転しやすいだろう。

今回の試乗地は、横浜の市街地と都市高速。e:HEVによる走りの印象は、同じシステムを採用しているフィットやヴェゼルと大きくは変わらない。市街地走行ではモーターで走り、必要に応じてエンジンはかかるが発電のためで、エンジンは高速走行時以外は駆動をアシストしない。

ホンダ新型フリード公道試乗記
ホンダ新型フリード公道試乗記    花村英典

市街地走行ではノイズを低減したタイヤの効果もあってか、いたって静かだ。乗り心地も良い。加減速もドライバーの意図どおりといった感じで、加速時の初期ゲインも強くはなく、ブレーキの効き方も素直だ。エンジンがかかっても極端に回転を上げることはないから、うるさくは感じないだろう。

都市高速に乗ったところで、ACCを作動させる。先行車の有無による加減速もスムーズで、加速時に必要以上にエンジン回転数を高めたり、強めの減速Gを感じることもない。

ただし、車線維持支援システムが少し過敏で、走行中に常に細かくステアリング操作をアシストしてくる。基本的に同じシステムを採用しているフィットやヴェゼルで同様に高速走行したときには、こうした挙動はなかった。

個体差なのか、初期ロットの問題なのかは確認中だが、全体の出来が良く感じられただけに、少々残念なポイントだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    花村英典

    Hidenori Hanamura

    1970年生まれ。東京写真専門学校を卒業後、ファッション誌、バイク誌を経てフリーランスへ。現在は自動車専門誌を中心に撮影。はじめて買った車はMR2(AW11)。ドライブとセダンとMTが好き。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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