【もう一度読みたい】日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した新型ホンダ・フリード 人気モデルの上手な進化を実感

公開 : 2024.12.05 17:40

エンジン車のCVTもかなり洗練されたようだ

続いて、エアーEX(FF/3列6人乗り)。エンジン車のトランスミッションは従来型と同じCVT。かなり洗練されたようだが、発進時や加速時にエンジン回転数が上がって少しノイジーになるのは否めない。

それでもラバーバンド現象(エンジン回転数が上がってから車速が上がり出す)は抑えられているし、ノイズも不快なレベルではない。

ホンダ新型フリード公道試乗記
ホンダ新型フリード公道試乗記    花村英典

e:HEVに比べればパワー不足を感じるが、街中で使うことが多いなら必要十分なレベルにはある。ECONモードを使うと少し鈍さを感じるが、エンジン回転数は抑えられるので街中を静かに走りたければECONモードを活用するといい。なお、e:HEVではECONモードによるパワー差はあまり感じられなかった。

高速道路をクルージングすると、Dレンジ80km/hは1500rpmといったところ。ACCの作動もe:HEVと大きくは変わらないが、加速時は少しエンジン回転数が高めになる。また、車線維持支援システムは先に乗ったクロスターほどではなかったが、少し過敏な動きを示した。

いずれのモデルも視界が良く運転しやすく、インターフェースの視認性や操作性もいい。最小回転半径は5.2mだからメチャクチャ小回りが効くというわけではないが、適度なサイズのおかげもあって街中の狭い道でも走りやすい。

3列目シートもヘッド&ショルダースペースは十分で、身長170cmくらいまでの人なら、少しヒザの位置は上がるが体育座りにはならず、長時間でなければ問題なく乗れる。シートの跳ね上げは女性でも簡単にできるだろう。グレードによるがリアシート用エアコンが用意されているのは、昨今の猛暑日が続く日本ではありがたい装備だ。

人気モデルのフルモデルチェンジは難しいところだが、このフリードはうまく進化させている。エンジン車とe:HEVの価格差は約35万円あるから、予算と使い方で自分好みのフリードを選びたい。

個人的には、永く付き合いたいならランニングコストや走りの印象を考慮して、パワートレインはe:HEVをチョイスしたい。

試乗車のスペック

価格:250万8000円〜343万7500円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4310×1695(クロスター:1720mm)×1755(4WD:1780)mm
燃料消費率:14.4~16.5km(e:HEV 21.1~25.6km)WLTCモード
駆動方式:FF/4WD
車両重量:1370~1580kg
パワートレイン:直列4気筒1496cc
使用燃料:ガソリン
e:HEVモデル 最高出力:106ps/6000~6400rpm
e:HEVモデル 最大トルク:13kg-m/4500~5000rpm
動力用主電池:リチウムイオン電池
e:HEVモデル モーター最高出力:123ps/3500~8000rpm
e:HEVモデル モーター最大トルク:25.8kg-m/0~3000rpm
ガソリンモデル 最高出力:118ps/6600rpm
ガソリンモデル 最大トルク:14.5kg-m/4300rpm
ギアボックス:無段階変速オートマティック(e:HEV 電気式無段変速機)
タイヤサイズ:185/65R15(フロント)185/65R15(リア)

ホンダ新型フリード公道試乗記
ホンダ新型フリード公道試乗記    花村英典

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    花村英典

    Hidenori Hanamura

    1970年生まれ。東京写真専門学校を卒業後、ファッション誌、バイク誌を経てフリーランスへ。現在は自動車専門誌を中心に撮影。はじめて買った車はMR2(AW11)。ドライブとセダンとMTが好き。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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