米国のジャンクヤードで出会った廃車 40選 後編 雑草に埋もれた半世紀前の名車たち

公開 : 2024.08.03 18:25

いすゞ・トルーパー2

このいすゞ・トルーパーが最後に走ったとき、雪が降っていたことは明らかで、後輪にはいまだにチェーンが装着されている。1984年から米国で販売され、トヨタランドクルーザーに代わる、実用的で頑丈かつ手頃なオフローダーとして注目を集めた。この車両はもう救いようがないが、まだ使える部品はたくさんある。

いすゞ・トルーパー2
いすゞ・トルーパー2

ナッシュ・アンバサダー(1956年)

この時代のナッシュ車は車輪をフェンダーで覆っており、車高が低く見えたが、ここまで地面に近くなることはなかった。この1956年型アンバサダー・スーパーは土の中に沈んでおり、明らかに長い間同じ場所に置かれていたことがわかる。1956年は発売5年目を迎えたこともあり、販売台数は減少していた。

ナッシュ・アンバサダー(1956年)
ナッシュ・アンバサダー(1956年)

フォードLTD(1977年)

1977年型フォードLTDはきれいな塗装ときらびやかなクロームメッキを誇。一見すると健全なように見えるが、やがてリアフェンダーが腐っていることがわかり、下部を覗き込むと、そこでも恐ろしい腐食が進んでいることが確認できた。この4ドア・ピラー・ハードトップは16万255台以上製造されたが、現存するのはごく一部である。

フォードLTD(1977年)
フォードLTD(1977年)

GMCサバーバン

この7代目GMCサバーバン・シエラ・クラシック25のフロントフェンダーには、誰かが「良いトランス、フルードは焼けていない」と落書きしている。トランスミッションの状態が良いらしく、数少ない長所の1つのようだ。サバーバンは1930年代半ばから生産されており、シボレーの歴史上最も長く続いている車名である。

GMCサバーバン
GMCサバーバン

オールズモビル・トロナド(1966年)

眠りから覚めたかのように、初代オールズモビル・トロナドがわずかに開いた片目からこちらを覗いている。発売初年度である1966年に製造された4万1000台のうちの1台だ。トロナドの前輪駆動レイアウトは当時としては画期的なもので、1966年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーでは米国車としては異例の3位を獲得している。

オールズモビル・トロナド(1966年)
オールズモビル・トロナド(1966年)

AMCランブラー・クラシック770(1965年)

AMCランブラー・クラシック770コンバーチブルは、販売台数5000台以下という実に希少なクルマである。しかし、この車両は真っ二つに折れてしまっているため、コンディションは末期的と言っていいだろう。

最高出力145psの3.8L 6気筒エンジンを搭載し、0-97km/h加速12.2秒というゆったりした走りを見せた。

AMCランブラー・クラシック770(1965年)
AMCランブラー・クラシック770(1965年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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