米国のジャンクヤードで出会った廃車 40選 後編 雑草に埋もれた半世紀前の名車たち

公開 : 2024.08.03 18:25

オールズモビル・ダイナミック88(1964年)

この1964年型オールズモビル・ダイナミック88は、今にも宇宙へ向かって飛び出そうとしているように見える。

どこまで飛べるかは、搭載される6.4L V8エンジン、通称「ロケット(Rocket)」のバージョンに大きく左右される。最高出力330psのバージョンなら、0-97km/h加速8.7秒、最高速度は200km/hだから、かなりの時間を飛行できるだろう。同年に製造された3万2369台のうちの1台である。

オールズモビル・ダイナミック88(1964年)
オールズモビル・ダイナミック88(1964年)

ビュイック・ルセイバー・コンバーチブル(1967年)

1967年型ビュイック・ルセイバー・コンバーチブルは販売台数3000台に満たない極めて希少なクルマである。ただ、よくあることだが、希少性と価値は必ずしも一致しない。しかし、隣に停まっている、あの醜悪な創造物ほど珍しいものではない(取材班は訪問時に気づかなかった)。

ビュイック・ルセイバー・コンバーチブル(1967年)
ビュイック・ルセイバー・コンバーチブル(1967年)

フォード・サンダーバード(1970年)

1967年から1971年まで製造された5代目フォード・サンダーバードは、初期の売れ行きは好調だったものの、時間の経過とともに徐々に落ち込んでいった。消費者の関心を呼び起こすため、フォードは1970年に大幅な改良を行い、新しい角ばったボンネットと鳥のくちばしのような突き出たグリルを採用した。

この個体はほぼ無傷だが、完全に錆びきっており、道路を羽ばたいていた時代はとうに過ぎ去ったことがわかる。

フォード・サンダーバード(1970年)
フォード・サンダーバード(1970年)

フォード・エコノライン

1980年代初頭のフォードE150エコノラインの当時のカラーリングには感心する。しかし、下半分の錆がひどいのが気になる。4本のタイヤにはまだ空気が入っており、道路から離れて間もないことがうかがえる。

Eシリーズは1961年のデビュー以来、820万台が販売されたロングセラーだ。この個体は第3世代のモデルで、1975年から1991年まで製造された。

フォード・エコノライン
フォード・エコノライン

ビュイック・ルセイバー(1959年)

この4ドア・ハードトップの1959年型ビュイック・ルセイバーはところどころ擦り切れているものの、驚くほど完全な状態で残っている。もともとは最高出力250psの6.0L V8エンジンを搭載していたが、これは1957年と1958年のビュイック全車種の標準装備されていたものだ。1/4マイルを17.6秒で走破し、最高速度は180km/hに達した。

ビュイック・ルセイバー(1959年)
ビュイック・ルセイバー(1959年)

ジャガーXJ40

1986年に発表されたXJ40は、1960年代以来初めて基本設計を作り直した真のニューモデルである。オリジナルのスケッチやスケールモデルは1970年代初頭にまで遡り、1981年にようやくプロジェクトが承認された。直近のシリーズIIIのような特徴的な曲線はなかったが、評判は上々で、よく売れた。

本国の英国では錆びやすいと評判だったが、この個体は比較的腐食していないようだ。

ジャガーXJ40
ジャガーXJ40

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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