【円形の有機ELディスプレイを見よ!】 ミニJCWカントリーマン・オール4 BMW X1とコンポーネンツ共用多数

公開 : 2024.07.14 19:25

JCW=作為的アンバランス? 

円形の有機ELディスプレイのインパクトは室内全体の印象を決めてしまうほど強烈だ。

おまけにドライバー正面には投影式のヘッドアップディスプレイがあるだけ。全ての情報や操作系がディスプレイ内に集約されているのだ。

ミニJCWカントリーマン・オール4試乗
ミニJCWカントリーマン・オール4試乗

メーカー的には「直観的に操作できます!」と言いたいのかもしれないが、個人的にはそう簡単でもなかった。オーディオを呼び出してラジオ局ひとつ選ぶのも時間がかかったし、ドライブモード「コア」とか「ゴーカート」などミニ世界の言葉に置き換えられていて煩わしい。ここはオーナーと一見(イチゲン)さんで評価が分かれるところだろう。

ミニらしからぬ強心臓も歴代JCWの特徴だ。今回も2L 4気筒ガソリンターボで317psに達している。踏めばすこぶる速いのだが、無用の長物という感もなくはない。

牧歌的なカントリーマンという響きと、ドライブシャフトの不等長具合がすぐにわかるオーバーパワーがクルマの中でケンカしていると感じるのは筆者だけだろうか?

乗り心地はいくぶんマイルドになったけれど、実用車として検証していくと、JCWカントリーマンにはアンバランスと思える部分がいくつもあるのだ。

とはいえ歴代のJCWは、そんな極端な感覚を面白がる人たちのためグレードなのだろう。だから今回の仙台往復も思ったより短い時間で走り切ることができたのだけれど、でもまぁまぁ疲れた。初めてJCWに触れる人は、少し慎重に選んだ方がいいと思う。

試乗車のスペック

価格:667万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4445×1845×1645mm
0-100km/h加速:5.4秒
CO2排出量:189g/km
駆動方式:4WD
車両重量:1680kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc+ターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:317ps/5750rpm
最大トルク:40.79kg-m/2000~4500rpm
ギアボックス:7速オートマティック
タイヤサイズ:245/40R20(フロント)245/40R20(リア)

ミニJCWカントリーマン・オール4試乗
ミニJCWカントリーマン・オール4試乗

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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