F1最強技術を注ぎ込んだ「市販」ハイパーカー 1200馬力のV10ハイブリッド レッドブルRB17限定生産へ
公開 : 2024.07.16 06:05
レッドブルが新型ハイパーカー「RB17」を発表した。合計出力1200psのV10ハイブリッドを搭載し、50台のみの限定生産となる。F1マシンと同等の速さを実現しているという。
F1マシンと同等の速さ
レッドブルRB17は、F1マシンよりも速いラップを刻むドラマチックなサーキット専用ハイパーカーだと、生みの親であるエイドリアン・ニューウェイ氏は言う。
英国に本拠地を置くレーシングコンストラクター、レッドブル・レーシングが7月12日、新型ハイパーカー「RB17」を披露した。デザイン界のレジェンドであるニューウェイ氏がレッドブルに残した最後の作品であり、限定50台が生産される予定だ。
RB17はコスワース製V10自然吸気エンジンをベースとする合計出力1200psのハイブリッドシステムを搭載し、最高速度350km/hを超える。開発プロジェクトは3年前に始動し、今夏にダイナモでの試運転を行った後、来年夏のサーキットテストで初めて走行する予定だ。
レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、このマシンを開発した動機としてレギュレーションやF1のコスト上限に縛られないことを挙げ、「クソ高いんだ(f**king expensive)」と話した。
RB17はアストン マーティン・ヴァルキリーの後継車のようなものだ。今はなきアストンとレッドブルの提携時代に、ニューウェイ氏が開発に深く関わったロードカーである。しかし、ヴァルキリーが公道走行を前提に設計されていたのに対し、RB17はレッドブル・アドバンスト・テクノロジーズの約120人のエンジニアからなるチームによって生み出された純粋なサーキット用マシンである。
そのスペックはまるでニューウェイ氏のベストアルバムのようだ。マクラーレン、ウィリアムズ、レッドブルなどのチームで活躍し、F1界で最も偉大なデザイナーとして広く知られる彼が開拓してきたアクティブ・エアロダイナミクスとサスペンション・システムを搭載している。
ニューウェイ氏はAUTOCARの取材に対し、このプロジェクトには3つの基本目標があると語っている。
第1に見た目を良くすること。「このレベルでは、クルマは芸術品と考えるべき」
第2に音を良くすること。
第3に、F1ドライバーに限らず「すべての人が外に出て、楽しみ、上達できる」ようにすること。
膨大な数のテクノロジーが搭載され、あらゆるシステムで高度なアジャスタビリティを実現している。驚異的なパフォーマンスを発揮する一方で、経験の浅いドライバーにとっても扱いやすく、活用しやすいものを目指した。
「それなりのサーキット経験さえあれば、最初から楽しめるクルマです。しかし、究極のパフォーマンス・レベルであれば、F1並のラップタイムも可能です」とニューウェイ氏は言う。