「甘辛」の丁度いいバランス! メルセデスAMG CLE 53へ試乗 直6マイルドHVで449ps M4のライバル未満

公開 : 2024.07.31 19:05

CとEのクーペが融合したCLEに、AMGの53登場 アグレッシブな見た目に直6ツインターボで449ps 48VのマイルドHVでも重層的なサウンド 硬軟の丁度いいバランス 英編集部が評価

アグレッシブな見た目 直6ツインターボで449ps

メルセデスAMGのモデル名の末尾に付く数字は、概して性能を表している。通常は63が最もパワフルな仕様で、53はその1つ下の設定だと考えて良いだろう。

今回試乗したメルセデスAMG CLEは、53の方。ワイドなスタンスで、見た目はカッコいい。四輪駆動だが、オプションでドリフト・モードも付けられる。最高出力は449psで、0-100km/h加速は4.2秒と、不満なく速い。

メルセデスAMG CLE 53 4マティック+(英国仕様)
メルセデスAMG CLE 53 4マティック+(英国仕様)

確かに、BMW M4の方がさらに速い。それでも、現実的にすべての能力を解き放つことは、英国や日本のような島国では難しいはず。英国価格は、7万3075ポンド(約1490万円)からだ。

AMG CLEには63も登場予定で、これにはV8エンジンが搭載されるとか。だが、プラグイン・ハイブリッドになるという噂もある。ドライバーズカーとして考えれば、直列6気筒ツインターボエンジンを搭載した53の方が、シンプルで望ましい可能性はある。

AUTOCARの読者ならご存知かと思うが、メルセデス・ベンツCクラスEクラスのクーペを統合し、CLEを発売した。AMG版ではバンパーが専用デザインで、パナメリカーナ・グリルとスポイラーやディフューザーが、明確な差別化を生んでいる。

トレッドは通常のCLEより前で58mm、後ろが75mm広く、それに合わせてフェンダーも拡幅されている。ドアミラーも独自アイテムで、見た目はなかなかアグレッシブだ。

電圧48VのマイルドHV 車内は見慣れた雰囲気

M256M型と呼ばれる3.0L直列6気筒エンジンは、ドイツ・アファルターバッハでハンドメイドされる、本物のAMGユニットではない。とはいえ、ツインターボのブースト圧は1.5barまで上昇し、電動コンプレッサーも追加され、大幅に強化されている。

トルクコンバーター式の9速AT内には、23psを発揮する電気モーターを内蔵。電圧48Vのマイルド・ハイブリッドとなる。また後輪操舵システムが標準装備で、AMGライドコントロールと呼ばれる、アダプティブダンパーも追加費用で組める。

メルセデスAMG CLE 53 4マティック+(英国仕様)
メルセデスAMG CLE 53 4マティック+(英国仕様)

7500ポンド(約153万円)のプロ・パフォーマンス・パッケージを選択すると、カーボンファイバー製トリムだけでなく、座面が低くなるバケットシートやダイナミック・エンジンマウントに加えて、先述のドリフトモードも実装される。

試乗車のインテリアはナイトエディションという仕様で、カーボンファイバー製トリムに、アルカンターラ巻きのステアリングホイールが組み合わされていた。プレミアム仕様の場合、レザーとウッドトリムで仕立てられ、上品な雰囲気になる。

標準アイテムのスポーツシートは、サイドサポートが頼もしく、座り心地は良好。だが、座面はやや高めだ。車内の雰囲気は、見慣れたメルセデスAMG通り。最近のモデルらしく、若干高級感に乏しい素材も一部に用いられている。

タッチモニターは大きく、実際に押せるハードボタンは最小限。ステアリングホイール上のコントローラーで、ドライブモードを変更でき便利だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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