フォード・トルネオ・クーリエ 詳細データテスト 商用由来らしからぬ足さばきと乗り心地 価格は高い

公開 : 2024.07.20 20:25  更新 : 2024.07.27 02:32

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

フォードのラインナップにおいて最廉価モデルではないが、その差は数百ポンドと小さい。いずれにしろ、英国では2万5000ポンド(約513万円)以下で買えるフォードの新車はなくなった。他国で販売されるエントリーグレードのトレンドを持ってきたとしても、おそらくわずかに下回る程度にしかならないだろう。

現在、英国でのエントリーグレードはタイタニウムで、アルミホイールやルーフレール、シートヒーター、エアコン、フル装備のADASが標準仕様だ。上位のアクティブは1320ポンド(約27万円)高で、外観が若干変更され、17インチホイールと純正ナビが付くものの、割高な印象だ。

残価予想では、競合するシトロエン・ベルランゴに劣るトルネオ・クーリエ。より大型のフォルクスワーゲン・キャディは、残価率でさらに上を行く。
残価予想では、競合するシトロエンベルランゴに劣るトルネオ・クーリエ。より大型のフォルクスワーゲン・キャディは、残価率でさらに上を行く。

結局、以前ほどお買い得感で攻めてこなかったフォードだが、このクラスのガソリン車は競争が激しくなくなったのも事実だ。ダチア・ジョガーはシートの数は多いが荷室はやや狭く、シトロエン・ベルランゴ・ピュアテックは安い代わりに装備が簡素になる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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