ジャガー 2車種を廃止、ラインナップはFペイスのみへ 次世代EVへ移行

公開 : 2024.07.19 06:05

ジャガーはSUVのEペイスおよびIペイスの生産を終了する。時期は明らかではないが、収益性の観点と次世代EVラインナップへの移行から廃止が決まった。製品はFペイスのみとなる。

収益性の低さとラインナップ刷新で

英国の自動車メーカーであるJLR(ジャガーランドローバー)は、ジャガーブランドの刷新に伴いFペイスを除く全車種を廃止する。EV専用の高級ブランドとして立て直す計画だ。

今回、オーストリアのマグナ・シュタイヤーが組み立てている小型SUVのEペイスとバッテリーEVのIペイスの廃止が明らかになった。6月にはすでに英国製のXE、XF、Fタイプが生産終了している。

IペイスおよびEペイスが新たに生産終了となる。
IペイスおよびEペイスが新たに生産終了となる。

JLRのエイドリアン・マーデルCEOはこの決定について、「どれも採算ゼロに近い製品だ」と述べた。正式な生産終了時期についてはまだ明らかにしていない。

昨年の販売台数は、Fペイスが2万1943台、EVペイスが7897台、Iペイスが4874台だった。英国では、Fペイス単体で他の6車種の合計販売台数を上回り、7000台を達成した。

JLR全体の販売台数は現在、レンジローバー、レンジローバー・スポーツ、ディフェンダーが大半を占めており、これも決定打となったと考えられる。これら3車種のSUVで、JLRの半期世界販売台数11万1180台の59%を占めている。

「当社は5つの製品を廃止します。すべて低価格の車種です。どれも収益性の高いものではないため、新たに設計したアーキテクチャーを持つ新型車に置き換えます」と、マーデルCEOは投資家向けの説明会で語ったという。業界誌Automotive News Europeが報じている。

ジャガーの新世代ラインナップの筆頭となるのが、来年導入予定の最高出力600psの電動4人乗りGTモデルである。これに続き、2026年には高級SUV、そして大型高級セダンが登場すると考えられている。これらはすべて、ジャガーブランド専用のJEAプラットフォームを採用し、現行ラインナップとはまったく関係のないものとなる。

北米部門のジャガー・ノースアメリカのジョー・エバーハートCEOは以前、次のように語っていた。

「新型車が登場するまで、継続的に車両を供給できるような生産スケジュールを組むつもりです。新製品の発売まで十分な量を確保し、問題なく引き継ぎできるようなタイミングを計っています」

記事に関わった人々

  • ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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