更に進化した自動運転モデル、メルセデス・ベンツF015

公開 : 2015.01.08 22:50  更新 : 2017.12.14 12:31

ラスベガスで開催されるCES(コンシューマー・エレクトロニック・ショー)にて、メルセデス・ベンツF015ラグジュアリー・イン・モーションなるコンセプト・モデルが披露された。

要するに自動運転システムをさらに発展させたコンセプトであり、パワートレインは水素フューエル・セルと2機の電気モーターを組み合わせるラグジュアリー・カーのことである。

発揮する最高出力は272ps。言うまでもなく ’ゼロ・エミッション’ を達成し、0-100km/hを6.7秒で駆け抜けるとのこと。公表される航続可能距離は約1100kmというのが今のところの公表値だ。

いかにも未来的なルックスのF015コンセプトは、もちろん内部にも先進技術が盛り込まれる。なかでも代表的なのは自立型オペレーティング・システムや、デジタル・アクティビティ・スペースと呼ばれる、簡単にいうと主に市街地の走行における運転をシステムに委ねることによりドライバーを含む乗員皆が自由に空間を過ごせる装置のことだ。新幹線の個室をイメージしていただけると分かりやすいかもしれない。

”自動運転がいかにわれわれの社会を変えていくか、実はまだ多くの人が分からないままでいるのです” と語ってくれたのはメルセデス・ベンツの取締役会会長のディーター・ツェッチェ氏。さらに ”自動車そのものが、単なる移動手段だけでなく、移動式のリビング・スペースとして成長しているのです” と続けた。

最先端の中の最先端と表現されるF015コンセプトだけに、最新式のステレオ・カメラと一連のセンサー群がリアルタイムで広範囲を捉えるおかげで、ドライバーは自らの手で運転する必要はなくなり、他のタスクに集中できる。

もちろんそのためには、クルマとドライバーの間に相応の信頼関係が必要になる。これに関しては、この先数年の間に発表予定の ’人工知能’ に近いソフトウェアが、安心感を与える仕事に徹してくれるのだそう。

歩行者に道を譲るときにドライバーが行うジャスチャーも、グリルに設えられるLEDが行ってくれる。たしかにこれも、’運転をしない’ 走行中にはありがたいシステムだといえるのではないだろうか。

仮に歩行者をF015が認識した場合、まず車両にブレーキを掛けて走行を中断。その後、歩行者の横断が安全か否かを判断し、安全ならば路上に横断歩道さながらの線をレーザー照射してくれる機能も付く。さらに外に向けられたスピーカーから ”どうぞ横断してください” というメッセージが発せられるのだそう。

また自動運転時には車体底部に設えられるLEDが路上を青く照らし、マニュアル運転時には白色に照らすという演出も用意される。

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