運転を「特別な体験」にする力 マクラーレン・アルトゥーラ 長期テスト(最終) 環境問わず普段使い可!

公開 : 2024.07.28 09:45

運転を輝かしく特別なものにする力

悲しいことに、2025年仕様に合わせて無償で引き出された20psを、しっかり体感することは叶わなかった。そもそも、3.0L V6ツインターボエンジンがもっとパワフルなら良いのに、と感じたことは1度もなかったが。

ただし、20万ポンド(約4080万円)のスーパーカーとして、物足りない部分もゼロではない。特にスタイリングは、アルトゥーラ以外のマクラーレンと良く似ている。インテリアは特別感が弱いだろう。ロゴも、イタリアン・ブランドのような趣きはないと思う。

マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)

それでも、アルトゥーラが最大の強みとするのは、ドライビング体験。運転という単純な行為を、輝かしく特別なものにする能力だ。加えて、至って一緒に暮らしやすい。

アルトゥーラの開発は難航したかもしれないが、日常的に乗れる素晴らしい高性能モデルとして、広く認知されるべき仕上がりなことは明らか。多くの人へ、この事実が知られて欲しいものだ。

セカンドオピニオ

アルトゥーラの長期テストが、望ましい印象で終了したことがうれしい。本来の実力は高く、商業的にも優れた成果を得るに値するモデルだと考えている。

アップデートを経て、さらにドラマチックさは増したようだ。電動化技術のメリットを、うまく活かしたスーパーカーだと思う。 マット・ソーンダース(Matt Saunders)

マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)

テストデータ

気に入っているトコロ

パワートレイン:ダウンサイジングし、ハイブリッド化するという選択は成功した。速いだけでなく、燃費も優れている。サウンドはいいし、静かにも走れる。
ハンドリング:マクラーレン唯一といえる操縦性は変わらない。シャシーの繊細さが素晴らしい。
運転席の居心地:人間工学に優れ、アップル・カープレイが標準装備。視界も広く、ずっと座っていたくなる。

気に入らないトコロ

乗降性:メタボ気味の中年男性の場合は、カッコ良く乗り降りするのが難しい。
周囲からの注目:公道を走っていると、好奇心で不必要に接近してくるドライバーがいる。危ないから控えるべきだ。

走行距離

マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)

テスト開始時積算距離:1580km
テスト終了時積算距離:9512km

価格

モデル名:マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
開始時の価格:18万9200ポンド(約3860万円)
現行の価格:19万460ポンド(約3885万円)
テスト車の価格:22万1400ポンド(約4516万円)

オプション装備

テクノロジー・パッケージ:6800ポンド(約138万7000円)
スポーツエグゾースト:4700ポンド(約95万9000円)
スーパー・ライトウエイト鍛造アルミホイール:4500ポンド(約91万8000円)
パフォーマンス・インテリア:4400ポンド(約89万8000円)
エンバーオレンジ・エリート塗装:4400ポンド(約89万8000円)
コンフォートシート:3300ポンド(約67万3000円)
ブラック・パッケージ:2000ポンド(約40万8000円)
グロスブラック・インテリアフィニッシュ:1100ポンド(約22万4000円)
ステルス・エグゾーストフィニッシュ:1000ポンド(約20万4000円)
プラティカリティ・パッケージ:0ポンド

燃費&航続距離

公称燃費:21.8km/L
タンク容量:66.0L
平均燃費:10.7km/L
最高燃費:11.4km/L
最低燃費:6.9km/L
航続可能距離:708km

主要諸元

全長:4539mm
全幅:1913mm
全高:1193mm
最高速度:329km/h
0-100km/h加速:3.0秒
車両重量:1498kg
パワートレイン:V型6気筒2993cc ツイン・ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:680ps(システム総合)
最大トルク:73.2kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック(後輪駆動)
トランク容量:160L
ホイールサイズ:19インチx9.0J(前)/20インチx11.0J(後)
タイヤ: 235/35 R19(前)/295/35 R20(後)

メンテナンス&ランニングコスト

リース価格:−ポンド(−円/1か月)
CO2排出量:104g/km
メンテナンスコスト:なし
その他コスト:なし
燃料コスト:1093ポンド(約22万3000円/ガソリン)
燃料含めたランニングコスト:(約22万3000円/ガソリン)
1マイル当りコスト:0.22ポンド(約44円/車両代、電気代は含まず)
不具合:クルーズコントロール用レバーの交換/フロアシールの交換

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト マクラーレン・アルトゥーラの前後関係

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