フォルクスワーゲン・パサート2.0TDI 150GT
公開 : 2015.01.08 23:55 更新 : 2017.05.29 18:57
■どんなクルマ?
’広い、快適、安全、手ごろ、豊富な装備’ という5点さえクリアしておけばどんなクルマでも売れたというのは、いまや昔の話。より高価で小さいBMW 3シリーズが飛ぶように売れることも、新事情を雄弁に物語っている。
それに気づいたフォルクスワーゲンは、ぶかぶかの量産シャツを脱ぎ捨て、ピタリとしたシャツにカフスボタンを取り付けるように、パサートをひとつ上のマーケットに適合させた。
ただし価格上昇は免れない。150psの2.0ℓディーゼルを載せる中級グレードであるにもかかわらず、BMW 320dよりは安価だが、新型フォード・モンデオよりも高価な£26,000(470万円)の値札を掲げるのだ。
■どんな感じ?
スポーティなセッティングが与えられ、£700(13万円)の可変ダンパーをオプション装着しているのに、3シリーズのような感覚をもたらさないのは、そのボディ・サイズゆえなのだろう。
楽しいというよりもむしろ、のんびりとした、あるいは禁欲的な印象だ。ロール/ピッチ方向のゆったりとしたボディの動きは認められるものの、悪名高い英国の路面の凹凸の上でも快適性は満足できるレベルにある。
特にバンプを高速で乗りこえた際や、幅広のアンジュレーションを踏んだ際の上下動の吸収のしかたは見事で、高速道路を長時間走ったとしてもストレスに感じる点はなさそうだ。