観客のレベルも高いって! 欧州のイベント駐車場が凄かった件 前編 ポルシェからプジョーまで

公開 : 2024.07.27 18:05

デ・トマソ・パンテーラ

これほど堂々としたクルマがあるだろうか。ロイヤルブルーの塗装とクリームレザーのおかげで白手袋をはめたような気品を漂わせながらも、ブリスターフェンダー、ディープディッシュ・ホイール、ピクニックテーブルのようなリアスポイラーがギャングスターを思わせる外観を作り出している。

70年代や80年代のイタリアン・スーパーカーよりも、もう少し実用的なものをお望みなら、信頼できるフォード製V8を搭載したパンテーラがおすすめだ。

デ・トマソ・パンテーラ
デ・トマソ・パンテーラ

ヒョンデアイオニック5 N

2024年のAUTOCARアワードで「ベスト・パフォーマンス・カー」の栄誉に輝いたアイオニック5 Nが、熱心なファンたちの手にわたり、定期的に見られるようになるのは時間の問題だろう。

448kmの航続距離、広いトランク、ゆとりある後席スペースのおかげで、日常的に使えるだけでなく、有能かつ魅力的なサーキットカーにもなる。疑似変速とドリフトモードは、単なるギミックに聞こえるかもしれないが、実際に機能するし、楽しい。十分遊んだらオフにすることもできる。

ヒョンデ・アイオニック5 N
ヒョンデ・アイオニック5 N

TVRタスカン・スピードシックス

ピーター・ウィーラー氏がTVRを所有していた狂気の時代に生まれたタスカン。狂っていて、不良で、触れるのも危険なクルマだった。

自社設計の直列6気筒エンジンは350馬力から440馬力を発生し、わずか1100kgの車重を誇った。タスカンがマスタングやAMG C 63、さらにはアウディR8を凌駕している動画をネットで見つけるのは簡単だ。トラクションコントロールもアンチロックブレーキもなく、すべてがドライバーの手に委ねられていることを覚えておいてほしい。

TVRタスカン・スピードシックス
TVRタスカン・スピードシックス

フェラーリプロサングエ

英語のバイオレット(violet)は慎み深くおとなしいものの象徴として使われることもあるようで、「引っ込み思案」のことを「Shrinking violet」と書いたりする。しかし、このバイオレットカラーのプロサングエは決しておとなしいものではない。

ベントレーベンテイガランボルギーニウルスのようなライバル車ほど大きく派手には見えないが、実物は圧倒的な存在感がある。しかし、自然吸気V12の始動音を聞くことができなかったのは残念だ。

フェラーリ・プロサングエ
フェラーリ・プロサングエ

ジャガーFタイプ・プロジェクト7

ジャガーDタイプへのオマージュとして考案されたこのモデルは、250台の限定生産車となった。スピードスターの外観と左右非対称のヘッドレストはそのままに、13万ポンド(約2600万円)で販売された。

すぐに完売となり、現在でも同様の価格で取引されている。

ジャガーFタイプ・プロジェクト7
ジャガーFタイプ・プロジェクト7

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事