超コンパクトな都市型2人乗りスポーツカー、復活か スマート「ロードスター」後継車開発を検討中

公開 : 2024.07.24 06:05

スマートが小型スポーツカー「ロードスター」の復活を検討している。主力モデルが出揃う中、趣味性の高いエンスージアスト向けのモデルを投入する可能性がある。

もし出すなら2人乗りは間違いない

スマートは、2002年から2005年まで生産していたスポーツカー「ロードスター」のEVでの復活を検討している。

同ブランドは現在、欧州で小型電動SUVの#1と#3を販売しており、来年には大型の#5を市場投入する予定だ。その一方で、フォーツーの後継車開発について検討も進めているが、そのためには他社とプラットフォームを共有する必要があるという。

スマート・ロードスターがEVとして復活する可能性が示唆された。(編集部作成予想イメージCG)
スマート・ロードスターがEVとして復活する可能性が示唆された。(編集部作成予想イメージCG)    AUTOCAR

ラインナップのコアモデルが揃うことで、趣味性の高いエンスージアスト向けのモデルに注力し始める可能性がある。スマート・ヨーロッパのディルク・アデルマンCEOは、AUTOCARの取材に対し、小型スポーツカーのロードスターの復活が可能性の1つとしてあり得ると語った。

アデルマン氏によると、中国の吉利汽車が親会社メルセデス・ベンツからスマートの株式の50%を取得した2020年頃、社内で新しいラインナップを計画していたとき、「新しいロードスターの最初の図面を描いた非常にワイルドな同僚がいた」という。

復活の見通しについて尋ねられたアデルマン氏は、「スマートには3台の素晴らしいクルマがありますが、どれもロードスターではありません」と述べた。

アデルマン氏はかつてロードスターを所有していたため、「あのクルマには非常に思い入れがある」とし、EVの後継車はオリジナルの精神に忠実であることを約束した。「もしロードスターを出すとしたら、非常にコンパクトなものになります。2人乗りは間違いない」

スマートの現在のラインナップはSUV中心だが、全長3.4m、全高1.2mという初代ロードスターに匹敵する電動スポーツカーを発売すれば、都市環境向けの個性的な超小型車を提供するというブランドの原点に立ち返ることになるだろう。

例えば、全長4.7m、全高1.7mとランドローバーディフェンダー110に近い大きさの新型#5とは、明らかに対照的だ。

しかし、アデルマンはAUTOCARに対し、ブランドのポジショニングはクルマの大きさよりも、そのユニークなデザインとポジショニングにあると語った。「スマートは型にはまりません。今回も#5でそれを示したと思います。誰も予想していませんでした。スマートにとってかなり大きなSUVである#1も誰も予想していなかったし、誰もクーペ(#3)を期待していなかった」

「しかし、20年前を振り返っても、誰もクロスブレードを予想していなかったのです」と2002年に発売したフォーツーの奇抜なスピードスター版に言及し、「このようなコンセプトを道路に持ち出す勇気があるでしょうか?」と述べた。

アデルマン氏は「スマートはフォーツーをはるかに超えて広がる存在なのです」として、ブランドのラインナップを大幅に拡大する可能性を示唆した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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