雨、雪、氷、ドライもウエットも! 何でも来いの新世代ASタイヤ

公開 : 2024.07.23 07:35

「新トレッドパターン」とは?

そして、アクティブトレッドに最適化した最新のパターン技術、「新トレッドパターン」を採用することで、シンクロウェザーはそのパフォーマンスを発揮する。

タイヤ表面のパターンデザインに、最新のノイズシミュレーション技術を活用し、低ノイズと高い排水性・排雪性を両立させるV字溝設計を新開発。形状の異なる2種類のブロックをデザインし、周上の配列をランダムかつ最適な並び方にすることで、タイヤから発生する周波数をコントロールし、スタンダードな夏タイヤ「エナセーブ EC204」同等の静粛性能を実現している。

低ノイズと高い排水性・排雪性を両立。
低ノイズと高い排水性・排雪性を両立。    篠原政明

さらに、摩耗予測シミュレーションを活用し、溝の角度、深さ、サイプ(タイヤ表面に刻まれる細かい溝)などを最適化させ、接地面全体を均一にすることで摩耗量を少なくしている。その結果、耐摩耗性能も「エナセーブ EC204」同等以上になっている。

シンクロウェザーの価格は、リプレイスのタイヤとしてはプレミアム商品に近い高めの設定となっている。それは、それだけの技術を採用しているからであり、また1年中、どんな路面でもこのタイヤで過ごすことができると考えれば、リーズナブルかもしれない。

住友ゴムの西口豪一タイヤ事業本部長は「日本の夏タイヤをすべてシンクロウェザーにしたい!」と語ったが、それだけのパフォーマンスを持ったタイヤであるともいえるだろう。

シンクロウェザーは、まず日本から発売されるが、続いて欧州や米国でも販売される予定だ。また、アクティブトレッドの技術はまだまだ進化を続けており、2027年には次世代EVタイヤとしての進化版アクティブトレッドを発表する予定だと住友ゴムの山本悟代表取締役社長は語った。

ダンロップ シンクロウェザーの登場は、世界中のタイヤメーカーに大きなインパクトを与えることは間違いなさそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。

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