AMGの手で「6.0L化」されたE 60 W124型 メルセデス・ベンツ500 E(2) 本物としての風格

公開 : 2024.08.10 17:46

番外編:500 Eより先にV8を載せたAMG

W124型をチューニングする以前から、AMGは15年程度の歴史を有していた。だが、確固たる評判を築いたのは、このE 60の開発前後から。最終的には、1999年にメルセデス・ベンツによって買収されている。

AMGは500 E以前の1980年代に、5.6Lへ拡大されたM117型ユニットを300 Eへ搭載。4カム4バルブのヘッドを強化し、360psの最高出力をミディアムクラスへ与えた。

メルセデス・ベンツ300 E AMGハンマー(欧州仕様)
メルセデス・ベンツ300 E AMGハンマー(欧州仕様)

また6.0L仕様も設定。こちらは380psを叩き出している。バランス取りされたV8エンジンは、初期のシボレーコルベット C4より強力だった。これらの仕様はハンマーと呼ばれ、約30台が作られている。

最高速度は286km/hから297km/h。0-100km/h加速は5.0秒を切り、0-400mダッシュを13.5秒でこなした。同時期のイタリアン・スーパーカーに並ぶ動力性能といえ、世界最速のサルーンでもあった。

新車時の価格は18万ドルと、お値段もスーパーカー級。ドライブトレインだけでなく、サスペンションも強化され、追加のエアロキットで違いが主張された。空気抵抗を示すCd値は、0.35だったという。

協力:メルセデス・ベンツ・クラシックセンター
撮影:トム・ケーニッヒ(Tom Konig) /ピエール・ジョーネ(Pierre Johne)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

W124型 メルセデス・ベンツ500 Eの前後関係

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