選ぶなら後期の1.8 TSI! フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5) UK中古車ガイド 初期の「DSG」にご注意

公開 : 2024.08.05 19:05

ゴルフ GTIの兄弟らしい、凛々しいスタイリングをまとうポロ GTI 5代目を選ぶなら後期型の1.8 TSIエンジン 理想は6速MT 初期のDSGにはご注意 英編集部が中古車で魅力を再確認

選ぶなら後期型の1.8 TSIエンジン

フォードフィエスタ STのライバルとして、長年しのぎを削ってきたのがフォルクスワーゲン・ポロ GTI。純粋に走りの楽しさで比較すれば、フィエスタ STへ軍配は上がるだろう。しかし、より成熟した仕上がりといえるのは、代々ポロ GTIだった。

5代目、6R型のポロは2009年に登場。例に漏れずGTIも追加されたが、エンジンとトランスミッションは、当初は望ましいユニットとはいいにくかった。

フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5/2010〜2017年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5/2010〜2017年/英国仕様)

初期の1.4Lターボ+スーパーチャージャー・ユニットは、2014年のフェイスリフトで1.8Lターボへ置換。7速デュアルクラッチ・オートマティック(DSG)のみだったトランスミッションにも、6速マニュアルが登場。ホットハッチ・ファンの期待へ応えた。

もし5代目ポロ GTIをお探しなら、この後期型の1.8 TSIエンジンを選びたいところ。日本では、2015年から切り替わっている。英国仕様の最高出力は191ps、最大トルクは32.5kg-mで、ホットハッチとして不足ないパワーを誇った。

初期型の1.4 TSIエンジンも、179ps/6200rpmと最高出力は充分高いといえた。だが、最大トルクは25.3kg-m/2000-4500rpmで、少し物足りないことも否めなかった。欧州のファンにとっては、MTが選べないことも残念な采配といえた。

ゴルフの弟分らしい凛々しいスタイリング

エンジンオイルの消費量の多さも、1.4 TSIの悩みのタネだったが、2013年の改良でフォルクスワーゲンは対応している。とはいえ、5代目ポロ GTIの真打ちといえるのは、コードネームEA888型を名乗る、1.8 TSIエンジンと6速MTの組み合わせだろう。

ただし、1.8 TSIでも7速DSGの場合は、英国仕様では最大トルクが7.1kg-mほど低く設定されている。0-100km/h加速は6.7秒で、どちらも同等と主張されたものの、実際の走りではトルクの差を実感する。MTの方が、運転は断然楽しい。

フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5/2010〜2017年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5/2010〜2017年/英国仕様)

またフェイスリフト後は、アンチロールバーを強化。車高も僅かに落とされ、よりシャープな旋回性を獲得している。フィーリングは、ゴルフ GTIへ近づいたといえた。

それでも、フォルクスワーゲン・ゴルフの弟分らしい凛々しいスタイリングと、低めに構えた車高は最初から魅力的。爽快なコーナリングを叶える、電子制御のリミテッドスリップ・デフも標準装備だった。

装備は充実しており、17インチのアルミホイールにリアスポイラー、2本出しマフラー、スポーツシートなどが標準。英国仕様では、ブルートゥースに対応したデジタルラジオも付いていた。

当時のAUTOCARは、英国では250ポンドのオプションだった、スポーツ・パッケージを推している。これには可変式ダンパーが備わり、更に楽しい走りを引き出せたためだ。この仕様こそ、5代目ポロ GTIのベストといえるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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