選ぶなら後期の1.8 TSI! フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5) UK中古車ガイド 初期の「DSG」にご注意

公開 : 2024.08.05 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は

小改良で6速MTが登場し、ドライバーとクルマとの間に、これまで以上の一体感が生まれた。排気量が増え引き締まった反応のエンジンは、運転体験にもプラス。安定志向にあるシャシーバランスを崩すには、さらなるパワーが必要といえたからだ。

これまでは、限界領域を超えさせない傾向が強かった。不足ないパワートレインの獲得で、驚くほど高いグリップ力を活用した、没入感ある操縦性を引き出せるようになっている。(2015年3月20日)

フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5/2010〜2017年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5/2010〜2017年/英国仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

サンディ・マクレディ氏

「2016年式のポロ GTI 1.8を、3年ほど所有しています。1オーナーの中古車で、現在の走行距離は10万8000kmほど。ゴルフ GTIより安くて小さくても、日常的な環境での楽しさは、まったく劣らないと思いますよ」

フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5/2010〜2017年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5/2010〜2017年/英国仕様)

「信頼性は高いです。フロント・サスペンションのロアアーム・ブッシュは、ヘタりやすいので交換しました。住んでいるスコットランドの路面が、荒れているのも理由ですね。道が空いている土地なので、スピードが乗りがちなのも理由ですが」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

初期の1.4Lツインチャージャー・エンジンは、エンジンオイルの消費が多い。冷間時はミスファイアも起きがち。タイミングチェーン・テンショナーは、10万km足らずで破損する場合がある。

3000rpm前後で、スーパーチャージャーからターボチャージャーへ過給器がバトンタッチするが、その時の様子を確かめる。不自然な振動や音が出る場合は、過給器を切り替えるクラッチの不調を疑う。

フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5/2010〜2017年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ポロ GTI(Mk5/2010〜2017年/英国仕様)

1.8Lエンジンは、基本的に信頼性が高い。それでも、エンジンオイルの管理状態とターボチャージャーの調子は確かめたい。

トランスミッション

1.4Lツインチャージャーに組まれたDSGは、信頼性が低いという報告がある。多くの不調は、メカトロニクス・ユニットか本体のソレノイドバルブが原因のようだ。1.8Lエンジンへ組まれるDSGは解決済み。

6速MTは堅牢だが、ホットハッチだから手荒に乗られてきた可能性はある。試乗で調子を確かめたい。

ステアリングとサスペンション

1.4 TSIのステアリングラックは油圧式。1.8 TSIでは電動機械式。どちらも信頼性は高いといえる。

サスペンションは、1.8 TSIの方がフロントが重く、ブッシュ類の摩耗が早め。スポーツパッケージ装備車では、ボタンでダンパーのレートが変化するか試乗で確かめたい。

タイヤとホイール

偏摩耗のないプレミアム銘柄タイヤを履いている例は、それだけ予算をケチらず所有されてきた証拠。扁平率の低いタイヤは、アルミホイールにダメージを与えがち。ひび割れや変形がないか確かめたい。

ボディ

ボディパネルの隙間が均一か、塗装色が違っていないかなど、修復の痕跡がないか確かめる。ホワイトの塗装は傷を目立たなくさせる。レッドの塗装は色褪せに注意。

インテリア

実用的な小型ハッチバックだから、リアシートの状態も含めて、内装の傷み具合を観察する。一部のモデルには、シートヒーターが備わる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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