スコダ・スパーブ 詳細データテスト 広い室内 走りと乗り心地の好バランス 控えめながら満点ワゴン

公開 : 2024.07.27 20:25

日本ではいまや絶滅危惧種の実用ワゴンですが、欧州にはまだまだ実力派が隠れています。チェコのスコダはその筆頭格のメーカーで、今回のスパーブはフラッグシップモデル。兄弟車のパサートを凌ぐ満点の出来栄えを見せました。

はじめに

スコダは、世界的にも、フォルクスワーゲングループ内でも、地位を高めてきた。スパーブは1934〜49年に存在した車名だが、2001年にパサートのストレッチ版として復活。その後はテールゲートとしても使える風変わりなトランクリッドを装備したりもしたが、先代はほぼパサートと変わりないクルマとなった。現行モデルは、パサートの兄弟車としては4代目だ。

現行スパーブは、パサートと並行しつつも、スコダ主導で開発が進められた。チェコのムラダー・ボレスラフに本拠を構えるスコダは、フォロワーからリーダーへと昇格し、新型車の開発で重要な役割を務めるだけでなく、プラットフォーム共用の制限を取り払った。常識的でユーザーフレンドリーさを増す、オフメニュー・ユーザーインターフェイス・コンセプトの導入などは、新体制がもたらしたものだ。

テスト車:スコダ・スパーブ・エステート2.0TDI SE L
テスト車:スコダ・スパーブ・エステート2.0TDI SE L    MAX EDLESTON

同時に、スパーブは以前より競合が減っている。ドイツのプレミアムブランドは大柄なワゴンを残しているが、ジャガーはXFの生産を終了し、フォードヴォグゾール、日本メーカーはだいぶ以前に撤退している。そこでスパーブがチャレンジするべきは、今や幅を効かせているSUVではなく、クラシックなワゴンをユーザーに選ばせることだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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