スコダ・スパーブ 詳細データテスト 広い室内 走りと乗り心地の好バランス 控えめながら満点ワゴン

公開 : 2024.07.27 20:25

内装 ★★★★★★★★★★

スコダ・スパーブに求めることをひとつ挙げるなら、室内の広さだろう。そこは新型も外していないので、ひとまず安心だ。われわれの計測では、後席レッグルームはすでに広かった先代を65mm上回っている。

フラットなワゴンのルーフラインは、ヘッドルームの余裕も確保。大きなサイドウインドウはスペースの広さを実感させるとともに、すばらしい視認性も実現する。荷室のサイズは大差ないが、それはつまり非常に大きいということだ。

クラシックなデザインと先進装備が同居するインテリア。収納スペースは多く、気の利いた便利アイテムもいろいろと用意されている。
クラシックなデザインと先進装備が同居するインテリア。収納スペースは多く、気の利いた便利アイテムもいろいろと用意されている。    MAX EDLESTON

スコダにふさわしく、荷室には引き出し式のフックや小物収納が数多く備わり、後席を倒すふたつのレバーもある。ただし、295ポンド(約6万円)の可変荷室フロアを追加しないと、床面が完全にはフラットにならないのが残念だ。そのフロア下には十分なスペースがあり、185ポンド(約3.8万円)のオプションでスペースセーバーだが、スペアタイヤも収納できる。

しかしながら、スコダのワゴンが非常に実用的でも、もはや誰も驚かないだろう。おそらく、それよりも印象的なのは、前席の快適さだろう。先代モデルのインテリアは、デザインこそややプレーンだったが、マテリアルの質感はライバルに劣らないものだった。新型は、クラシックな価値観と先進のテクノロジーがうまく調和して、ほかにはあまりないバランスを織りなしている。

センターディスプレイは全車13インチ。ボタンの総数は減ったが、ミニマリストのiPadをダッシュボードに載せるようなやり方は避け、流れるようなデザインのウッド調ストリップやエレガントなドアハンドル、アールデコを思わせる全幅いっぱいの送風口などを設置した。

タッチ画面で操作する機能は多いが、最新のシステムは素早く動く上にロジカルで、それを補完するためにスマートダイヤルも採用された。3つの実体ダイヤルは、引き出すと機能が変化し、内側の小さな画面にそれが表示される。

左右のふたつは室温とシートのヒーター/ベンチレーター、中央は風量とナビゲーションのズーム、走行モードなどを担う。すばらしくシンプルでありながら、手触りがよく、直観的なシステムだ。この内装に注文をつけるなら、ダイヤルとディスプレイの組み付けがやや弱そうでちょっとガタつくことくらいだ。

後席も、マテリアルの品質は前席と変わらず、USBポート2口や空調パネルも完備。SE L仕様では、アームレストに組み込み式のタブレットホルダーが加わる。

また、基本的な部分も見落としはない。ギアセレクターをステアリングコラムへ移し、MTはなくしたことで、センターコンソールは収納の自由度を向上。スペースは当然ながらふんだんにあり、ふたつのシャッターで目隠しもできる。

アームレストの小物入れも大きく、可動式のトレーやメガネなどを収めておけるボックス、ディスプレイを拭くのに使えるフェルト張りのバーなどが収められている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

関連テーマ

おすすめ記事

 

スコダの人気画像