グレード問わず上質ハッチバック 改良版 アウディA3 スポーツバックへ試乗 プログレ・ステアはオススメ!

公開 : 2024.08.06 19:05

4代目アウディA3が小改良 プレミアムな雰囲気を漂わせる見た目 他メーカーも見習うべき車内のインターフェイス 動力性能に不足ナシ プログレ・ステアはオススメ 英編集部が評価

プレミアムな雰囲気を漂わせる見た目

上級コンパクト・ハッチバックの元祖として、四半世紀も市場をリードしてきたアウディA3。今でも同社のベストセラーで、2位へ2倍以上の差を付けて支持を集めている。そんな人気者も、競争力を強化するためアップデートを受けた。

2021年に登場した4代目の基礎骨格は、汎用性の高いMQBプラットフォームの進化版。パワートレインも改良を受けているが、2024年後半には新しいプラグイン・ハイブリッドも追加予定だ。

アウディA3 スポーツバック 35 TFSI Sトロニック・ブラックエディション(英国仕様)
アウディA3 スポーツバック 35 TFSI Sトロニック・ブラックエディション(英国仕様)

見た目の変化は最小限で、フロントグリルの4リングス・ロゴが、僅かに上方へ移動。スポーティなSラインとブラックエディションを選ぶと与えられる、バンパーの造形とリアディフューザーの処理も新しくなった。

ヘッドライト内のLEDデイライトは、4種類の点灯パターンから選択可能。ボディカラーには新色が設定された。

基本的な印象は従来どおり。ハンサムで、プレミアムな雰囲気を漂わせる。フォルクスワーゲン・ゴルフより、豪華に見えることは間違いないだろう。

欧州市場には、クロスオーバー風のA3オールストリートも存在する。僅かに車高が上昇し、フェンダーアーチをブラックのトリムが覆う。だが、残念ながら英国や日本に導入予定はないようだ。

現在の英国仕様のエンジンはすべてマイルド・ハイブリッドで、1.5Lガソリンターボか、2.0Lディーゼルターボの2択。1.5Lで115psの30 TFSIが、エントリーユニットとなる。その上に、150psで1.5Lの35 TFSIと2.0Lの35 TDIが据えられる。

他メーカーも見習うべきインターフェイス

上質なインテリアは、見慣れた雰囲気。ダッシュボードは上下に二分され、ドライバーを包むように、僅かに角度が付いている。

4代目の発表時は、品質やデザインに納得できないという声もあったが、今回の小改良ではそんな意見へ応えている。各部の素材が改められ、ドアパネルには間接照明を内蔵。エアコンの送風口やシフトセレクターは、形状が新しくなった。

アウディA3 スポーツバック 35 TFSI Sトロニック・ブラックエディション(英国仕様)
アウディA3 スポーツバック 35 TFSI Sトロニック・ブラックエディション(英国仕様)

インフォテインメント・システムは、同社最新世代のOSが稼働。コネクティビティが強化され、サブスクリプション・サービスなども利用できる。

大きなタッチモニターは、ダッシュボードへ自然に埋め込まれ、過度に目立つことはない。グラフィックは高精細で、処理は高速。メニューのレイアウトも整然としていて、走行中でも基本機能をタップしやすい。

ダッシュボードやステアリングホイールには、実際に押せるハードボタンが多数。エアコンの操作パネルは、前方からの目線移動を最小限にして扱える。

運転支援システムは、ハードボタンで切り替え可能。速度制限警告と車線維持支援が煩わしい場合は、5秒もあればオフにできる。他メーカーも見習うべきだろう。

車内空間は、3代目より左右方向にも上下方向にも数mmづつ増えている。後席側の空間は、やや限定的ではあるが。

荷室容量は380Lで、後席の背もたれを倒せば1200Lへ広がる。これ以上に空間が必要なら、ホンダシビックミニ・カントリーマンなどを検討してもいいだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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