「高級」SUVへ仲間入り ランドローバー・ディフェンダー 130 長期テスト(1) 全長5.4mは日常に馴染む?

公開 : 2024.08.03 09:45

高級SUVの仲間入りを果たしたディフェンダー

新しいディフェンダーが登場した時、商用車仕様の90なら、約3万5000ポンドで購入できた。だが、現在は5万7000ポンド(約1163万円)へ上昇している。これはランドローバーに限ったことではなく、新車価格も含め、物価が恐ろしく高騰したことを実感する。

またディフェンダーは、高級車としてみなされるようになった。上流階級は、V8エンジンを喜んで指定しているようだ。

ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)

少し話は逸れたが、大きく重いボディにも関わらず、ディフェンダー 130は今のところ筆者の日常に馴染んでいる。オフロード走行はこれからだが、大きなステーションワゴンとして活躍している。

悪天候下でも運転席からの視界は良好で、シートはゆったりしていて座り心地が良い。運転姿勢もリラックスできる。外界との隔離性は素晴らしく、走りは安定している。高速道路も得意分野だ。

燃費は、気張らずに郊外の道を運転すれば、14.2km/L程度は得られる。21世紀が始まった頃は、小さなハッチバックのみが叶えられた効率といえる。

駐車は簡単ではないが、どんなクルマでもロンドンの駐車場が広く感じられないことは間違いない。テールゲートから突き出たスペアタイヤに気をつけなければならないが、バックカメラがある。ディフェンダー 130には、運転を助ける機能が複数備わる。

これからの長期テストで、日常との親和性を掘り下げてみたい。

セカンドオピニオ

グレートブリテン島には沢山のディフェンダーが走っているが、以前の長期テスト車だった90は、これまで筆者が目にしてきた中でベストの仕様だと思う。今でも、あのクルマは懐かしい。アクセスしにくく狭い荷室は、唯一の弱点といえたが。

大幅に長い130は、どんな発見を与えてくれるだろうか。先代へ通じる魅力を感じ取れるのか、興味が湧いてくる。 マーク・ティショー(Mark Tisshaw)

ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)

テストデータ

テスト車について

モデル名:ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)
新車価格:8万390ポンド(約1640万円)
テスト車の価格:9万6745ポンド(約1974万円)

オプション装備

サテンフィルム:4000ポンド(約81万6000円)
プレミアム・インテリアパッケージ:2275ポンド(約46万4000円)
牽引パッケージ:1415ポンド(約28万9000円)
ドライバーアシスト・パッケージ:1175ポンド(約24万円)
ヘッドアップ:ディスプレイ:1080ポンド(約22万円)
電子制御アクティブ・リアディファレンシャル:1020ポンド(約20万8000円)
レザー・アップグレード:920ポンド(約18万8000円)
コンフォート&コンビニエンス・パッケージ:800ポンド(約16万3000円)
マトリックスヘッドライト:760ポンド(約15万5000円)
盗難防止トラッカー:530ポンド(約10万8000円)
寒冷地仕様パッケージ:260ポンド(約5万3000円)
UVカット・ラミネート・フロントガラス:220ポンド(約4万5000円)
電源コンセント:100ポンド(約2万1000円)

テストの記録

ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)

燃費:11.4km/L(WLTP値)
故障:なし
出費:なし

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト ランドローバー・ディフェンダー 130の前後関係

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