欧州での「ブレークスルー」につながる? レクサスLBX 長期テスト(1) 想像以上に車内は広い!

公開 : 2024.08.04 09:45

レクサス最小のクロスオーバー、ブレークスルーを掲げたLBXが英国上陸 BEV仕様なしでも欧州でのシェア拡大は可能か? ヤリスクロスとの差別化は? 英編集部が魅力を掘り下げる

レクサスのブレークスルー・クロスオーバー

レクサスのラインナップを見ると、ジャガーFペイス級のSUVはRXで、アウディQ5に伍するのはNX、BMW X1に並ぶUXと、これまでモデル名は2文字で統一されてきた。だが、同ブランド最小の新型クロスオーバーは、LBXと3文字だ。

このLBXは、レクサス・ブレークスルー・クロスオーバーの頭文字。ちなみに、RXはレディエント(輝かしい)・クロスオーバー、NXはニンブル(機敏な)・クロスオーバー、UXはアーバン・クロスオーバーの略だという。

レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)
レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)

レクサスが3文字を与えた例は、過去に1台だけある。V10エンジンのスーパーカー、LFAだ。「走行性能でブランドの異なる側面を表現したLFAのように、LBXも現状へ挑戦し、コンパクト・クロスオーバーを再定義するでしょう」。と主張されている。

LBXがブレークスルーになって欲しいと、同社は強い期待を寄せている。若いターゲット層へ訴求し、過去最大の販売数になると予想している。

少し鋭い人たちは、5000ポンド(約102万円)上乗せされ、Lのエンブレムが貼られたトヨタヤリス・クロスなのではないか、と勘ぐるかもしれない。確かに、この2台はTNGA-Bプラットフォームとハイブリッド・パワートレインを共有している。

とはいえ、しっかり差別化されているように思う。ボディサイズは僅かに異なり、LBXの方が長く広く低い。開発も別々に進められた。乗り心地と操縦性は、より最適化されているという。見た目も、まったく異なる。

BEV仕様なしで成功への1歩は踏み出せる?

長期テストにやってきたLBXは、英国仕様のプレミアムプラス・デザインというグレード。7段階あるうちの中間に位置する。英国価格は、ベースグレードから約5500ポンド(約112万円)高くなる。

四輪駆動のトップグレードでなくても、装備は非常に充実している。18インチ・ホイールにヘッドアップ・ディスプレイ、ブラインドスポット・モニター、12.3インチ・タッチモニター、シートヒーター、ワイヤレス充電パッド、パワーテールゲートなどが付く。

レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)
レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)

トップグレードは特別な18インチ・アルミホイールを履き、高音質のマークレビンソン社製オーディオが組まれるという。テスト車両のミドルグレードでも、大きな不満はなさそうだ。

英国仕様のパワートレインは1択で、1.5L 3気筒ガソリンエンジンのハイブリッドのみ。最高出力は135psと目立ったものではなく、0-100km/h加速は9.2秒。そのかわり、カタログ上の燃費は21.7km/Lと驚くほど優れている。

電動化が進む欧州市場において、プラグイン・ハイブリッドや電気モーター仕様が予定されていないことに、疑問は感じる。それでも、英国の販売数の3割以上をLBXが占めるとレクサスは見積もっている。成功への1歩を、無事に踏み出すことはできるだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    レイチェル・バージェス

    Rachel Burgess

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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