メルセデスAMG、V8エンジンの生産継続を示唆 廃止時期について明言避ける
公開 : 2024.07.26 06:25
メルセデスAMGは法律が許す限り内燃機関の生産を続ける意向を示している。まもなく高性能EVを投入するが、V8エンジンや4気筒ハイブリッドも継続する見通しだ。
エンジンの存続は法律次第
ドイツの高性能車ブランドであるメルセデスAMGは、法律が許す限り内燃機関の生産を続ける見通しで、生産終了時期は未定としている。
欧州全体で電気自動車(EV)に対する需要が鈍化していることに加え、一部の地域ではエンジン車の全面禁止に消極的な姿勢を示していることから、多くの自動車メーカーが特定の時期までにEVへ完全移行する計画を後退させている。
母体のメルセデス・ベンツは内燃機関技術の開発にさらなる資金を投じると表明しており、AMGの代表的なV8エンジンの存続に光が指している形だ。
英国で行われた新型メルセデスAMG GT 63プロ4マティック+の発表会で、AMGのCEOであるミヒャエル・シーベ氏は、エンジン車の段階的な廃止スケジュールについて明言を避けた。
しかし今のところ、エンジン車の新車販売を禁止する法律が施行されれば、AMGは最終的にEVのみのブランドになるという。
「終了日は定まっていませんが、それはまた、非常に独断的な議論になるでしょう。当社の主な目的は、お客様のニーズを満たすことです。当社のV8エンジンや高性能4気筒エンジンを愛してくださるお客様はまだたくさんいらっしゃいます」
「時期は未定ですが、わたしはAMGがオール・エレクトリック・カンパニーになると確信しています」
シーベCEOは、「AMG.EA」と呼ばれるEV専用プラットフォームの開発作業が続いており、毎週のようにプロトタイプを走らせていることを明らかにした。
「どれほどエモーショナルなものになるか、信じられないほどです。近い内にAMGのフルEVが登場し、どれだけ多くのお客様を惹きつけるか、目の当たりにすることでしょう」
「純粋なエンジン車、ハイブリッド、そしてフルEVを抱えることになります。しかし現在、少なくとも欧州では2035年に内燃機関を廃止する法律があります。それが実現すれば、当社は高性能のフルEVを提供することになります。柔軟に対応したいので、ここで具体的な時期や戦略的方向性を示すことはできません」
AMGの4気筒プラグインハイブリッド・パワートレインは、新型C 63ではあまり評判がよくなかった。シーベCEOは、「一部のお客様は、この技術を喜んでいただけるようになるまで時間がかかります」と述べた。
一方で、新しい顧客を獲得することもできたという。「AMGはテクノロジーブランドであり、V8だけで永遠に続けられるとは言えません」
「テクノロジーに関しては、オープンマインドであることが重要です」
次期型CLE 63に搭載予定のパワートレインについて尋ねられると、シーベCEOは「正しい決断を下しました。市場投入の際には皆さんをワクワクさせることでしょう」とだけ答えた。