抜群の安定感! 実は面白いマイナー四輪駆動セダン 16選 見落とされがちなマニアック車

公開 : 2024.08.18 18:05

サーブ9-3

ターボ付きの四輪駆動セダンというと、すぐに思い浮かぶのはスバル三菱だろう。しかし、サーブはどうだろう? かつて9-3には、最高出力280psの2.8L V6ツインターボエンジンを搭載する四輪駆動モデルがあり、最高速度250km/h、0-97km/h加速5.4秒という性能を誇る。

V6の平均燃費は8km/l台半ばだが、エントリーグレードの「エアロ」に搭載された2.0L直列4気筒ターボは14km/lとなかなかの低燃費で人気を集めた。0-97km/h加速は7.9秒と少し遅くなり、最高速度も235km/hに低下するが、サーブの四輪駆動システム「XWD(クロスホイールドライブ)」はスポーティなハンドリングを味わえる優れものだ。

サーブ9-3
サーブ9-3

いずれにせよ、両モデルとも販売台数は少なく、中古車市場ではなかなかお目にかかれない。

スズキキザシ

短命に終わったスズキ・キザシ。日本では警察車両としてたまに見かける程度で、海外でも鳴かず飛ばずだった。英国では500台程度と見積もっていたものの、それすら達成困難であったという。

問題は、走り好きのドライバーを惹きつけるほどのパワーやスピードがなく、海外では社用車(カンパニーカー)として人気の高いディーゼルの設定もなかったことだ。

スズキ・キザシ
スズキ・キザシ

最高出力188psの2.4L直4とCVT(海外では6速MTも設定)を搭載し、前輪駆動と四輪が設定されていた。そのハンドリングは現在でも十分楽しめる水準だが、四輪駆動で生き残っている個体は少ない。

テスラモデルS

テスラ・モデルSの特長の1つに、四輪駆動の存在がある。四輪駆動モデルが多く売れており、中古車における選択肢も多い。初期のP85D(車名末尾の「D」はダブルモーターの意)や90Dなどは現在、新車の半分近い価格で購入できる。

厳密にはモデルSはセダンではなくハッチバックに分類されるが、0-100km/h加速を3秒台で駆け抜け、1回の充電で400km以上走ると聞けば、文句のつけようがない。

テスラ・モデルS
テスラ・モデルS

オペル/ヴォグゾール・インシグニア

欧州で販売されるオペル/ヴォグゾール・インシグニアはベーシックなモデルだが、最高出力325psの2.8L V6ターボを搭載した四輪駆動のスポーツグレード「VXR」も用意されている。

インシグニアVXRは0-97km/h加速5.8秒、最高速度250km/hと、アウディS4と同等の性能を誇る。中古車なら、わずか5000ポンド(約80万円)程度で手に入る。

オペル/ヴォグゾール・インシグニア
オペル/ヴォグゾール・インシグニア

また、あまり注目されていないのだが、2.0Lターボディーゼルの四輪駆動モデルもある。最高出力160psと控えめだが、燃費は20km/lとお財布に優しい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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