ヴォクゾール・アダム 1.0T ジャム
公開 : 2015.01.10 23:50 更新 : 2017.05.29 18:29
■どんなクルマ?
2013年のローンチ時に組み合わせていた1.2ℓと1.4ℓのエンジンのことを時代遅れとしか言いようがなかったのは、前者は遅く、後者は洗練性に欠けていたからだ。
プレミアム・シティ・カーとして期待される魅力や性格、ドライビング・プレジャーの足を引っ張っていたことは間違いない。
言いかえれば、デビュー当初からモダンな3気筒ターボ・エンジンを切望していたともいえる。したがって今回のテスト車両は待ちに待った登場なのである。
1.0ℓのユニットは115psと17.3kg-mを発揮し、複合サイクル燃費は20.4km/ℓ、CO2排出量は114g/kmをマークする。数字を見るかぎり期待して良さそうだ。
■どんな感じ?
デビュー当初のアダムはデザインを重要視するカスタマー向けといったイメージが強かったけれど、こちらの世代からは、乗り味重視のカスタマーも安心していい。
新しいエンジンが特有の味わいとキャラクター性を加えるおかげで、ミニやフィアット500に比肩する競争力を手にしている。運転の楽しさが底上げされているのも重要なポイントだ。
エンジンのリファインにおいて、なかでももっとも光る部分はアイドリング時のこと。更に回転をあげていけばたっぷりとしたトルクが湧き上がり、瞬発力もなかなかのものである。これこそがアダムに求めていたものなのだ、と思わず唸らされる。
車速が増しても満足度が下がることはない。高速道路の速い流れに合わせたときも、息をあがらせるような素振りをまったく見せない点は、先代の1.2ℓにはあり得ないことだった。