ライバルはエクストレイル! 7シーターSUVの容姿一新 キア・ソレントへ試乗 オススメはディーゼル

公開 : 2024.08.11 19:05

3列7シーターのSUV、ソレントがフェイスリフト フロントマスクとインテリアを一新 広々の車内はそのまま 走りは可もなく不可もなく 実力不足のHVパワートレイン 英編集部が評価

競合はプジョー5008 4.8mの7シーター

プジョーは、7シーターSUVの5008をモデルチェンジ。フォルクスワーゲン・グループのシュコダも、コディアックというSUVを欧州で一新した。これらをライバルとするキア・ソレントも、リフレッシュにはちょうど良いタイミングといえる。

実は、ソレントの初代は三菱パジェロをベースとしていた。現行型は4代目で、登場は2020年。プラットフォームは、ヒョンデ・グループのN3を採用する。

キア・ソレント HEV 2(英国仕様)
キア・ソレント HEV 2(英国仕様)

同社の欧州でのラインナップの中で、ディーゼル・ターボエンジンを選べる唯一が、このソレント。2.2Lで192psを発揮する。プラグイン・ハイブリッドも提供されているが、全長4810mmというサイズとの相性が支持され、売れ行きは今でも好調だ。

四輪駆動も用意され、最大牽引重量は2.5tと有能。日産エクストレイルや5008と同じく、3列シートなことも魅力だろう。

このクラスでは競争力がまだ高いといえ、フェイスリフトを受けたソレントだが、メカニズム的な変更は受けていない。1.6Lガソリン・ターボエンジンのハイブリッドとプラグイン・ハイブリッド、先述のディーゼルという3種類が、2024年も選べる。

トランスミッションは、今回試乗した1.6Lのハイブリッドが6速オートマティック。ディーゼルには、8速デュアルクラッチ・オートマティックが組まれる。

キアの担当者は、ダイレクトな運転フィールを得るため、サスペンションに調整を加えたと説明する。だが、その変化は小さい様子。スタイリングとインテリアに、多くの力が注がれたようだ。

フロントマスクとインテリアを一新 車内広々

高い評価を集めるキアの大型電動SUV、EV9へイメージを寄せるべく、フロントマスクは大幅に一新。ヘッドライトは縦に長くなり、キアのロゴはグリルからボンネットへ移動した。ボディ塗装の新色と、新形状のアルミホイールも追加されている。

インテリアでは、少しクラシカルだったダッシュボードは交代。インフォテインメント用タッチモニターとメーター用モニターが一体になった、ワイドなパネルが載るスマートなデザインが採用された。

キア・ソレント HEV 2(英国仕様)
キア・ソレント HEV 2(英国仕様)

その下部には、エアコンとインフォテインメント用のショートカットキーを兼ねる、タッチセンサー。これは、バッテリーEVのEV6のデザインへ合わせたようだ。

エントリーグレードとなる2の内装は、暗い色調のクロスから、リサイクル素材を用いたクロスと合皮へ置き換えられた。従来より開放的な雰囲気ながら、人工素材的な匂いが少し強かった。

装備は充実し、シートヒーターとアダプティブ・クルーズコントロールが、2でも標準。1つ上のグレード、3を選ぶと、パワーシートと高音質オーディオ、大径アルミホイールなどが付いてくる。乗り心地では、2の17インチの方が優れるけれど。

インフォテインメント・システムの更新も、注目ポイントの1つだろう。機能としては余り変わらないものの、グラフィックやメニューは洗練された。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには、無線で対応する。

広々とした車内はそのまま。後列のシートはスライド可能で、3列目にもエアコンの操作パネルが備わる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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