【国内試乗会】相性抜群! マクラーレンの空力性能×アルトゥーラ・スパイダー

公開 : 2024.08.02 06:05

東北の安比高原で行われたマクラーレン・アルトゥーラ・スパイダーの試乗会。佐藤久実が「雨だからこそ可視化できた」ものとは?

単なるオープン化ではないアップデート

今年2月、マクラーレン史上初のハイパフォーマンス・ハイブリッド・コンバーチブルとして発表された『アルトゥーラスパイダー』。ようやく試乗の機会が得られた。

インプレッションの前に、まずはクルマの紹介から。2022年にひと足さきにクーペが発売されたが、単にそのオープンモデルということではなく、パワートレインやダンパー、さらにはトランスミッションのシフトスピードをはじめ、ソフトウェイに至るまでアップデートされている。

マクラーレン・オートモーティブ

3L V6エンジンの最高出力は585psから605psにハイパワー化し、Eモーターを組み合わせたパワートレイン総出力は680psから700psへ、最大トルクは720Nmへと引き上げられた。

乾燥重量は1457kgで、クーペからの重量増はわずか62kgとなっている。カーボンモノコックを用いたプラットフォームの軽さ、強度と剛性はオープンモデルでもその優位性を発揮している。

そして『スパイダー』の最大の特徴となるリトラクタブル・ハードトップは、50km/h以下であれば走行中でも開閉可能で、開閉の所要時間はわずか11秒。

さらに、『エレクトロクロミック』と呼ばれる、ガラスの透過度を変化させられるルーフは、日差しを遮りたいときは99%カット、光を取り込みたい時は60%以上を通しつつも太陽光のエネルギーは75%カットしてくれる。

EVモードにすると、自然の音がBGMに

さて、試乗ステージは、酷暑を避け東北の安比高原へ。ウィンタースポーツで有名だが、7月も緑が広がり癒される。が、残念ながら、雨と霧のため、当初のドライブルートを走ることができず、一部ワインディングからの高速道路メインの試乗となった。

せっかく遠くまで来たのに……。正直、当初はそんな残念な気持ちもあったが、いざ走り出すと、雨だからこそ、そして高速道路だからこそわかったアルトゥーラ・スパイダーの魅力もたくさん体感することができた。

マクラーレン・オートモーティブ

とかくハンドリングに目が行きがちだが、グランドツーリングとしての魅力も充分に高いクルマなのだ。

まずはワインディングからスタート。

アルトゥーラ・スパイダーは、シャシーのモードとしてコンフォート、スポーツ、トラックが選択でき、さらにEモード、コンフォート、スポーツ、トラックのパワートレーン・モードを備える。

ワインディングではデフォルトのコンフォートも悪くないが、やはりシャシーはスポーツモード、そしてパワートレインはスポーツもしくはトラックモードを選ぶと、エグゾーストサウンドを奏でながら軽快で俊敏性に富んだハンドリングを楽しめる。

途中、雨が止んだのでオープンにする。途端に、湿って重い空気が肌にまとわりつく。今までなら常にエンジンサウンドがBGMだったが、EVモードにすると、自然の音まで聴こえるのが新鮮だ。

ちなみに、言うまでもなくハンドリングの変化などは皆無だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    佐藤久実

    Kumi Sato

    大学在学中にレースデビューし、耐久レースをメインに活動。ニュルブルクリンク24時間レース、スパ・フランコルシャン24時間レースで入賞を果たす。モータースポーツで培ったスキルをベースにインストラクターとしても活動。東海大学工学部動力機械工学科非常勤講師、芝浦工業大学特別講師の経験あり。日本カー・オブ・ザ・イヤー、World Car Awards、日本ボート・オブ・ザ・イヤーの選考委員も務める。

関連テーマ

おすすめ記事

 

マクラーレン アルトゥーラの人気画像