ロータス・エレトレ 詳細データテスト 価格を超えた高級感 大きすぎるボディ シャシー制御は要改善
公開 : 2024.08.03 20:25
意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆
エレトレは、全長が5.1m、ホイールベースが3mを超えるSUVだ。どちらもレンジローバー以上で、BMW iXやアウディQ8 E−トロン、テスラ・モデルXといった競合する電動車の多くよりもかなり大きい。
ルーフはほとんどのライバルより低く、視覚的な軽さがないわけではないが、ブランドの伝統に敬意を払ってデザインされたと言われても、絶対的なサイズゆえに、これがロータスだと本気で受け入れるのは容易ではない。これほど大きなクルマが、軽量であるはずはないのだ。テスト車の実測重量は2682kgと、電動SUVとしても軽いほうではない。たとえば、2021年に計測したアウディE-トロンSは2634kgだった。
プラットフォームは、ジーリーのサステイナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャー(SEA)の系統としてロータスが開発。アルミと熱間成型スティールの混成シャシーに、アルミのボディワークを組み合わせている。
ベースモデルをはじめ、上位機種のSとRも、実用容量108kWhのニッケル・マンガン・コバルト式リチウムイオンバッテリーをフロア下に積み、前後モーターを駆動する4WD。下位2機種は612psだが、Rは2速ATを組み合わせたパワフルなリアモーターを採用し、919psにアップしている。
サスペンションは前後マルチリンクで、車高調整式マルチ気室エアスプリングと連続可変ダンパーが標準装備。4WSやアクティブスタビライザー、ブレーキベースのトルクベクタリングといった、このサイズと価格帯の高級SUVなら最近では当たり前のアイテムは、Rに標準装備、それ以外ではオプションとなる。