モデルYより安い新グレード 日産アリアへ英国試乗 価格競争力を強化 本来の魅力は変わらず
公開 : 2024.08.15 19:05
魅力は変わらず EVへの乗り換えを受け止める
ステアリングホイールは驚くほど軽く回せるが、反応は正確で予想しやすい。コーナーへ積極的に飛び込むと、アリアが大きく重いクロスオーバーだと実感する。サスペンションも柔らかい。とはいえ、日常的な速度域では運転しやすいと感じるはず。
グレートブリテン島らしい、管理の悪いアスファルトを走らせると、乗り心地の落ち着きが削がれ、乗員が少し揺さぶられることも。高速道路なら、しっとり安定している。風切り音やタイヤの転がり音は、良く遮断されているようだ。
インテリアで低コスト化を感じるとはいえ、アリアが備える本来の魅力は、新しいエントリーグレードでも変わらない。4万ポンド(約768万円)以下という設定は、英国ではテスラ・モデルYやアイオニック5を下回るお手頃さだ。
クラスベストの完成度ではなくても、独自性はしっかり備わる。乗り心地も快適。現行のキャシュカイ(旧デュアリス)などからバッテリーEVへの乗り換えを検討する人を、アリアのエンゲージ・グレードは充分受け止められるように思う。
◯:開放的で上質なインテリア リニアで洗練されたパワートレイン 車内空間と航続距離 エントリーグレードの価格価値
△:前席側の頭上空間がやや限定的 不安定さが現れる乗り心地 トップグレードの価格価値
日産アリア 63KWH エンゲージ(英国仕様)のスペック
英国価格:3万9645ポンド(約761万円)
全長:4595mm
全幅:1850mm
全高:1660mm
最高速度:161km/h
0-100km/h加速:7.5秒
航続距離:403km
電費:5.6-6.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1907kg
パワートレイン:励磁同期モーター
駆動用バッテリー:63.0kWh
急速充電能力:−kW
最高出力:218ps
最大トルク:30.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)