VW人気バン「トランスポーター」がフルモデルチェンジ 新型「T7」内外装刷新 ハイブリッド、BEVも設定

公開 : 2024.08.05 18:05

フォルクスワーゲンの商用車「トランスポーター」がフルモデルチェンジし、第7世代のT7へと生まれ変わった。ディーゼル、PHEV、BEVと幅広いパワートレインを用意している。

フォードと共同開発

フォルクスワーゲンが新型「トランスポーター(Transporter)」を発表した。内外装を刷新し、種類豊富なパワートレインとボディスタイルを備えている。

トランスポーターはフォルクスワーゲンで最も人気のある商用車で、第7世代(T7)となる新型はフォード・トランジット・カスタムとプラットフォームを共通化している。

フォルクスワーゲン・トランスポーター
フォルクスワーゲン・トランスポーター    フォルクスワーゲン

3種類のディーゼルエンジン、1種類のプラグインハイブリッド(PHEV)、3種類のバッテリーEVが用意される。

ディーゼル(TDI)はすべて2.0L 4気筒ターボで、最高出力110ps、150ps、170psの3種類が設定される。前輪駆動と四輪駆動があり、上位モデルには8速ATが標準装備される。

PHEV(eハイブリッド)は、2.5Lガソリンエンジン、電気モーター1基、16.5kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、合計出力232psを発生する。現時点では前輪駆動のみが確認されている。

バッテリーEVはすべて、リアアクスルに1基の電気モーターを搭載する後輪駆動で、最高出力136ps、218ps、286psの3種類が設定される。いずれも64kWhのバッテリーを使用するが、航続距離はまだ公開されていない。参考までに、兄弟車フォード・トランジット・カスタムの場合、航続距離は最長336kmで、最大125kWの急速充電が可能だ。

ボディタイプは3人乗りまたは5人乗りのパネルバン(貨物)仕様、6人乗りのダブルキャブバン(貨物+乗用)仕様、9人乗りのミニバス(乗用)仕様が用意される。

先代まではキャンピングカー仕様の「カリフォルニア」もあったが、新型では設定されない。代わりに、乗用に特化したマルチバンが次期カリフォルニアのベースとなる。

電子式パーキング採用

新型トランスポーターのボディサイズは、全長5050mm(先代T6.1から146mm延長)、全幅2032mm(同128mm増)、ホイールベース3100mm(同97mm延長)。ロング車では全長5450mm、ホイールベース3500mmとなる。

荷室長は2602~3002mm、荷室容量は5800~9000L(ハイルーフ車)、最大積載量は1330kgで、最大牽引能力は2800kgとされる。

フォルクスワーゲン・トランスポーター(写真はAT車)
フォルクスワーゲン・トランスポーター(写真はAT車)    フォルクスワーゲン

全車、LEDヘッドライト、LEDテールライト、オートホールド機能付き電子式パーキングブレーキ、キーレススタート、レインセンサー、レーンアシスト、自動緊急ブレーキを標準装備する。

インテリアはトランジット・カスタムと同じ12インチのデジタル・インストゥルメントパネルと13インチのインフォテインメント・タッチスクリーン(アップル・カープレイ、アンドロイド・オート搭載)を装備する。USB-AおよびUSB-Cポートが標準装備され、外部機器に最大2.3kWを供給可能な230Vコンセントもオプションで用意されている。

使いやすさを重視し、オーディオの音量調整には物理ノブが割り当てられた。電子式パーキングブレーキの採用と、AT車のシフトレバー廃止により、助手席や荷室スペースへの移動が容易になった。

ドイツでは今春より先行販売が始まっており、価格は3万6780ユーロ(約590万円)からとなっている。

記事に関わった人々

  • チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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