「カレラ」で楽しむ本来のバランス ポルシェ911(997型) UK中古車ガイド 運転しやすさは歴代屈指
公開 : 2024.08.19 19:05
新車時代のAUTOCARの評価は
ここまで爽快で、夢中になれる運転体験を提供するモデルは限られる。その殆どは、6桁ポンドという高額か、普段使いが難しい例ばかりだ。
911は登場から41年が過ぎた今でも、スポーツクーペの基準といえる内容にある。もし6万5000ポンドをスポーツカーに支払う時、997型以上にベターな選択肢は見つけられない。(2004年10月5日)
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ピート・オズボーン氏
「2010年式の、997.2 カレラを所有しています。マニュアルのナローボディで、後輪駆動にこだわって選びました。ベースグレードの3.6Lエンジンでも、充分すぎるほど速いです。3.8LのカレラSを、探すことは考えませんでした」
「望み通りの1台へ出会うまで、時間はかかりましたね。2年間で8000kmほど走っています。スタイリングにステアリング、トランスミッション、シートポジション、実用性、サウンドなど、すべてが気に入っています。ロードノイズはうるさいですが」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
ピストンリングがシリンダーウォールと擦れて生じる傷、スコアリングに注意。前期の997型では話題になりがちだが、ターボエンジンとフェイスリフト後の997.2では心配する必要性は低い。
アイドリング時の異音や、排気ガスの曇りがないか確かめる。どちらかの症状が見られる場合は、シリンダー内を検査したいところ。
ECUには、エンジンがレッドラインに到達した履歴が残る。ディーラーなどでチェックし、オーバーレブ・コードが表示される場合は、エンジンの摩耗状態を調べたい。
点火コイルがヒビ割れすることがある。ミスファイアやパワー不足、不自然にエンジン音が大きいなどは、これが原因の場合が多い。数100ポンド(数万円)程度で交換はできる。
前期の997型では、インターミディエイトシャフト・ベアリングが劣化しやすいが、後期型では対策済み。カムシャフトのタイミングが乱れ、ピストンとバルブがぶつかり、エンジンを駄目にしてしまう。
冷却系統
997型では新しい冷却システムが導入され、リアのエンジンからフロントのラジエターまでクーラントが循環する。ゴム製部品は劣化しがちで、接続部分からクーラント漏れしやすい。金属の部分も、酸化することがある。
インテリア
生産初期の997型では、インテリアの製造品質が高くなかった。シフトノブやトリムが外れてしまうのは珍しくない。
整備間隔
英国のオーナーズクラブでは、比較的短めのメンテナンス・インターバルを推奨している。エンジンオイルは8000km毎、ブレーキフルードは2年毎、スパークプラグは6万4000km毎での交換が望ましいようだ。ATフルードの交換は、16万km毎と長い。
画像 カレラで楽しむ本来のバランス ポルシェ911(997型) 現行の992型 同時期のボクスターとケイマンも 全109枚