「掃除機」みたいな巻取りタイプ採用 フィアット、車体にAC充電ケーブル内蔵へ

公開 : 2024.08.08 06:05

フィアットは新型グランデ・パンダ以降のEVモデルに、一体型のAC充電ケーブルを採用する。車体に組み込むことで充電時の使い勝手の向上を図る。

スマートな充電ケーブル

フィアットは、来年発売予定の新型「グランデ・パンダ」を皮切りに、次世代EVの車体に巻取り式の充電ケーブルを組み込む。別体式が主流だが、一体化することで使い勝手を向上させる狙いだ。

グランデ・パンダでは、バネタイプの充電ケーブルがフロントマスクのパネルに収納されている。充電時はケーブルを取り出し、充電スタンドに接続する。充電終了後は車体に戻し、蓋を閉じる。フィアットはこれを「充電を再発明する」斬新なアプローチだと説明している。

フィアットの新型「グランデ・パンダ」は車体前面に充電ケーブルを統合する。
フィアットの新型「グランデ・パンダ」は車体前面に充電ケーブルを統合する。    フィアット

フィアットの親会社であるステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は、「テクノロジー満載で、優れた素材を使い、美しい装飾が施された素晴らしいクルマでも、まず最初にすることは、ケーブルを地面に置くことです。そして汚れた状態でトランクに戻すのです。これではハイテクとは言えません。掃除機を見れば、もっといい解決策が見つかります」と述べている。

2025年に欧州で発売予定のグランデ・パンダは、一体型のAC充電器を使えば最大7.4kWの速度で充電可能だ。250分(4時間10分)で約190km分の電力を補充できる。

フロントに組み込まれたAC充電ケーブルは、冷却が必要なため急速充電には対応しないと考えられている。最大100kWの急速充電が可能なDC充電器は、車体側面に配置される。

新開発のスマートカー・プラットフォームをベースとするグランデ・パンダは、「2万2000ポンド(約400万円)以下」から発売されると言われている。実現すれば、量産EVとしては最も安価な部類に入る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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