知っていたらスゴイ! 奇妙で無名なOEM供給車 41選 前編 「リバッジ」されたマイナーモデル

公開 : 2024.09.01 18:05

あるメーカーが生産したクルマを、別のブランドから販売することをOEM供給やリバッジと呼ぶ。でも「こんなクルマあったっけ」と、あまり存在を知られていないものも多い。

似ているけど何か違う…

わざわざ手間と費用をかけて違うクルマを作る必要はない! 1台のクルマを、名前を変えて別のブランドから売ればよいではないか……。

かなり大雑把な説明だが、これは「バッジ・エンジニアリング」や「OEM供給」、または「リバッジ」などと呼ばれる行為で、長年にわたって多くの自動車メーカーが行ってきた。通常は同一メーカーが所有するブランド間で行われるが、時には他社との間で行われることもある。例えば、写真のフィアット・フルバックは、三菱トライトン/L200の姉妹車で、タイで生産されていた。

三菱トライトン/L200のリバッジモデルであるフィアット・フルバック
三菱トライトン/L200のリバッジモデルであるフィアット・フルバック

このようなリバッジモデルは世界中に何百とあるが、今回は代表的な41台を選び、アルファベット順に掲載する。仕様やスタイリングのディテール、場合によってはドライブトレインがオリジナルと異なるものも対象とするが、それ以上のものは取り上げない。

(翻訳者注:この記事は前編・後編に分けて公開されます。後編もぜひお楽しみください。)

アカディアン・ボーモント

アカディアンはゼネラルモーターズ(GM)傘下のカナダ向けブランド。1962年から1971年まで、シボレーをわずかに改良したモデルをポンティアックビュイックのディーラーで販売していた。

初期のボーモントはシェビーII、次のモデル(写真)はシェベルをベースとしている。やがてボーモントは独立ブランドとなり、消費者にはシェビーIIベースの初期モデルだけがアカディアンとして認知されていた。

アカディアン・ボーモント
アカディアン・ボーモント

アルフェオン

アルフェオンは、韓国で短期間運営されたGM傘下ブランドである。第2世代のビュイック・ラクロスを現地生産することになったが、当時ビュイックは韓国で無名であり、またシボレーに改名するのも不適切で、大宇ブランドも廃止されようとしていた。

そこで、このモデルを販売するために2010年にアルフェオンが設立された。その5年後、韓国GMが米国製の第10世代シボレー・インパラの輸入を開始したため、同ブランドは廃止された。

アルフェオン
アルフェオン

アストン マーティンシグネット

アストン マーティンが誕生してほぼ1世紀、どの時点においても、日本のコンパクトカーをリバッジして市場投入するという話は厳しい批判を受けたことだろう。しかし、2011年にそれは実際に行われた。

シグネットはトヨタiQの装備レベルを上げ、外観を一部変更し、驚くほど高い値札を付けたものだった。売れ行きは非常に悪く、アストン マーティンはそれ以来、似たような試みをしたことはない。しかし、わずか300台しか生産されなかったため、その希少性から現在ではプレミアムがついており、ロンドンの高級住宅街では驚くほどよく見かける。

アストン マーティン・シグネット
アストン マーティン・シグネット

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事