プジョー208 GT ハイブリッド 小改良版へ試乗 インテリアは競合以上! 爽快な操縦性も◎

公開 : 2024.08.24 19:05

ISGが低域の力強さを加算 好ましい走り

車内空間は広い。ボロの方がさらに余裕はあるが、身長の高い大人でも、フロントシートへゆったり座れる。リアシートも同様で、膝前にも頭上にも充分な余地がある。リアドアが小ぶりで、若干乗り降りしにくいけれど。

荷室容量は311L。テールゲートの開口部が小さめで、大きなスーツケースを乗せるのは少し大変かもしれない。

プジョー208 GT ハイブリッド136 e-DSC6(英国仕様)
プジョー208 GT ハイブリッド136 e-DSC6(英国仕様)

フェイスリフトで追加されたマイルド・ハイブリッドは、電圧48Vのスターター・ジェネレーター(ISG)が、1199ccの3気筒ターボをアシスト。低回転域のトルクが加算され、燃費は最大で15%改善されている。

試乗車は136psのそれで、カタログ燃費は23.0km/L。市街地では、内燃エンジンを回さずに約半分の時間を走れると主張される。

発進させてみれば、このGT ハイブリッド136が好ましいハッチバックだとすぐに理解できる。ISGが低域の力強さを高め、1228kgと比較的軽量なボディをスルスルと走らせる。0-100km/h加速は、8.1秒と充分に速い。

3気筒ターボエンジンは、アイドリング時から静か。巡航状態では、殆どノイズが聞こえてこない。高速域での風切り音が小さいのも、褒められる。

ただし、ISGの回転音はやや大きい。高負荷時にはエンジン音も目立つ。もう少し、この辺りの遮音性は高めても良さそうだ。

ダイレクトな操舵感 しなやかな乗り心地

試乗したルートは、グレートブリテン島中南部のオックスフォードシャー地方。緩やかにカーブを描く一般道を、爽快な操縦性で駆け抜けてみせた。ドライバーが意図した方向へ素直に回頭し、優れたグリップ力とフラットな姿勢制御で、安心感が高い。

切り始めで若干の抵抗感はあるが、やや重さが増したステアリングフィールも好ましい。ダイレクトで、身軽さがあるリアアクスルと組合わさり、運転の楽しさのベースを作っている。小径なステアリングホイールも、208の個性には合致する。

プジョー208 GT ハイブリッド136 e-DSC6(英国仕様)
プジョー208 GT ハイブリッド136 e-DSC6(英国仕様)

サスペンションは、リアがトーションビーム式ながら、乗り心地は驚くほどしなやか。アスファルトが酷く傷んだ区間では、つぎはぎの多い都市部と同様に、処理が追いつかなくなる事はあるようだが。アルミホイールは、16インチの方が良いかも。

フェイスリフト前から、208は魅力的なスモール・ハッチバックだった。ハンサムで高級感があり、装備は充実。走行中の快適性も高い。2024年も、検討候補へ加えるべき価値がある。

このクラスには有能なライバルが多いものの、208が気に入ったのなら、躊躇する必要はないだろう。筆者なら100psの1.2Lガソリンと、今回のマイルド・ハイブリッドで悩むことになりそうだ。

◯:カッコいい見た目 運転しやすく楽しい 
△:同等に魅力的なライバルは多い 身長によってはしっくり来ない運転姿勢

プジョー208 GT ハイブリッド136 e-DSC6(英国仕様)のスペック

英国価格:3万510ポンド(約580万円)
全長:4055mm
全幅:1745mm
全高:1430mm
最高速度:200km/h
0-100km/h加速:8.1秒
燃費:19.3-23.0km/L
CO2排出量:105g/km
車両重量:1228kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:136ps
最大トルク:23.4kg-m
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    レイチェル・バージェス

    Rachel Burgess

    英国編集部ライター
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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