1955年の見た目+BMWの4発ターボ モーガン・プラスフォーに試乗 届かない部分も魅力の1つ

公開 : 2024.08.27 19:05

届かない部分もモーガンらしい魅力の1つ

走行中のノイズは、110km/h巡航時で84dBと大きめ。風の巻き込み音も小さくない。長距離ドライブを楽しみたいなら、ハードトップの購入を検討したい。モーガンも、それを推奨している。

燃費は、平均で15.8km/L。定速での巡航時は19.1km/Lまで伸びた。軽い車重が貢献している。

モーガン・プラスフォー(英国仕様)
モーガン・プラスフォー(英国仕様)

英国価格は、6万2995ポンド(約1197万円)から。試乗車には多数のオプションが載り、7万6795ポンド(約1459万円)へ膨らんでいた。ロータスエミーラアルピーヌA110 Rより、明らかにお高い数字だ。数年後の残存価値も高いが。

1000ポンド(約19万円)のウォールナット・ダッシュパネルなどは、筆者は必要性を感じない。2340ポンド(約44万円)のスポーツエグゾーストも、音響的な魅力が大幅に増すわけではないようだ。

新しいプラットフォームを採用し、BMWのターボエンジンを搭載しながら、従来の魅力を維持するプラスフォー。巧みに近代化されたモーガンといえ、爽快で楽しいスポーツカーに仕上がっている。

確かに、最新作として期待する動的能力には届いていないかもしれない。本質を犠牲にしないまま、より洗練された走りを得られたように思う。クルージング時の安楽さは広く歓迎されるはずだし、カーナビも欲しい。

荷室には、数泊分の荷物を積みたい。エアコンの送風口も、ベストな位置がある。だとしても、そんな届かない部分もモーガンらしい魅力の1つだ。約1tの車重の理由でもある。

◯:時代を超越した見事なスタイリング 簡単に引き出せる高い動力性能 充足感の高いマニュアル・トランスミッション
△:極端に小さい荷室 遮音性の低さ 操縦性と乗り心地の洗練度 未完成な部分がチラホラ

モーガン・プラスフォー(英国仕様)のスペック

英国価格:7万6795ポンド(約1459万円)
全長:4010mm
全幅:1720mm
全高:1220mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:5.1秒
燃費:13.7km/L
CO2排出量:165g/km
車両重量:1013kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:258ps/5500rpm
最大トルク:35.6kg-m/1450-5000rpm
ギアボックス:6速マニュアル(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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