抜本的に進化した中型高級車 アウディ新型「A5」と「S5」欧州で販売開始 800万円弱から

公開 : 2024.08.16 06:05

アウディは新型A5およびS5の欧州販売を開始した。従来のA4に代わる新世代モデルで、プラットフォームを一新して電動パワートレインとの親和性を高めた。

「A4」後継として発売

アウディは新型「A5」および「S5」の欧州での販売を開始した。従来のA4の後継車で、新しいプラットフォームと大幅に改良されたエンジンを採用している。

ボディスタイルはセダンとアバント(ステーションワゴン)が用意され、英国価格は4万1950ポンド(約790万円)から。11月の納車開始予定だ。

アウディA5アバント
アウディA5アバント    アウディ

アウディの新しいブランド戦略の一環として、エンジン車には奇数番号、バッテリーEVには偶数番号が与えられる。A4は今回のフルモデルチェンジに伴い、A5へと名称変更されることになった。

英国ではEVの次期型が登場するまで、A4の新車販売はストップすることになる。A4を名乗るモデルが販売されないのは30年ぶりのことだ。また、2ドアと4ドアが選べるクーペの先代A5も引退した。

新型A5のエントリーグレードは「スポーツ」で、18インチアルミホイール、コンフォートサスペンション、LEDライトとダイナミックインジケーター、ワイヤレスの携帯電話充電器、アンビエントライト、360度パーキングカメラなどが標準装備される。4万1950ポンド(約790万円)から。

上位グレードの「Sライン」は、19インチアルミホイール、スポーツサスペンション、プライバシーガラス、より先進的なマルチファンクション・ステアリングホイール、アルミニウムの内装トリム、その他スポーティな仕上りとなっている。4万4100ポンド(835万円)から。

限定仕様車の「エディション1」は、20インチのツートーン・ホイール、レッドのブレーキキャリパー、ブラックの外装トリム、マトリクスLEDヘッドライト、ダーククローム仕上げのエグゾーストチップ、マイクロファイバーの内装、助手席用タッチスクリーンが特徴だ。これらはすべてA5シリーズ全車にオプションとして用意されている。4万9100ポンド(約930万円)から。

3.0L V6ガソリンエンジンを搭載するスポーツモデルのS5は、今のところ限定仕様車エディション1のみの設定で、価格は6万8700ポンド(約1300万円)から。

上記の価格はすべてセダンのもので、ステーションワゴンのアバントはこれに約1900ポンド(約35万円)上乗せされる。

新開発のハイブリッド採用

プラットフォームは17年前に導入された現行のMLBに代わり、新たにPPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバッション)が採用された。主にエンジン車向けの構造であり、Q6 eトロンなどEV向けのPPEとは基本的に関係がない。

アウディの伝統に則り、新型A5も縦置きのエンジンレイアウトを採用したが、電動パワートレインへの対応も容易だと言われている。

アウディA5
アウディA5    アウディ

発売当初は非電動の純エンジン車と48Vマイルドハイブリッド車(MHEV)を展開する予定で、後者には新開発のシステム「MHEV Plus」が採用される。MHEV Plusは2基の電気モーターを使用し、発電効率の向上と強力な回生ブレーキを実現するものだ。

エンジンとしてはまず、フォルクスワーゲン・グループの4気筒ターボガソリンエンジン「EA888」を導入し、最高出力150psまたは204psの2パターンから選択できる。どちらもDCTと組み合わされ、四輪駆動のクワトロも用意されている。

ディーゼルも引き続き選択肢に残された。フォルクスワーゲンの2.0L 4気筒ターボディーゼルエンジンにMHEV Plusシステムを搭載した改良型が採用され、最高出力は204psに向上し、CO2排出量は10g/km削減されている。

S5は3.0L V6ターボガソリンエンジン(現行A8、Q7、Q8のユニットとは別物)を搭載する。可変ジオメトリー・ターボチャージャーとMHEV Plusシステムを組み合わせ、最高出力は367ps(先代S4のV6ディーゼルより20psアップ)、CO2排出量は14g/km削減されている。

来年には、電気のみで100km走行可能なプラグインハイブリッド(PHEV)も追加される予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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