ブレンボとKWで走りを強化! フォード・フォーカス ST エディションへ試乗 ホットハッチの最適解

公開 : 2024.08.26 19:05

シビック・タイプRの英製ライバル、フォード・フォーカス ST 専用の足まわりを得たST エディションが登場 2.3L 4気筒で最高出力280ps ホットハッチのスイートスポットだと英編集部は評価

専用の足まわりを得たST エディション

史上最高のホットハッチの1台といえた、フォードフィエスタ STの生産が打ち切られてから1年。その楽しさを振り返ると、悲しい気持ちになってくる。

でもその兄貴分、フォーカス STは健在だ。少なくとも、今のところは。フォードは、これも2025年に生産を終了すると発表している。

フォード・フォーカス ST 2.3エコブースト・エディション(英国仕様)
フォード・フォーカス ST 2.3エコブースト・エディション(英国仕様)

ハッチバックかステーションワゴンを選べるフォーカス STは、1998年から同社の高性能モデルの一角をなしてきた。現行は、2018年に発売された4代目。ラリー・シーンから派生したフォーカス RSは、3代目でラインナップから落とされている。

4代目は、2021年にアップデート。そして2024年に、一層のスポーティさを追い求めたエディションが追加された。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIとホンダシビック・タイプRも、2024年にフェイスリフト済み。フォードが手を加えるタイミングとしては、ぴったりといえる。その実力を、英国の公道で確かめてみよう。

フォーカス STの見た目は、ホットハッチとして通常のフォーカスから差別化されている。全体的に丸みを帯びたフォルムは、空力特性を意識したもの。ヘッドライトはアダプティブLEDだ。

エディション仕様では、フロントに直径が363mmあるブレンボ社製ブレーキディスクを獲得。ドイツの名ブランド、KW社製の車高調整式コイルオーバー・ダンパーも与えられている。

車高は10mm低く、任意でさらに20mm落とせる。スプリングレートは、通常のフォーカス STより50%もハードらしい。

最高出力280ps 快適なスポーツシート

フォーカス STに載るエンジンは2.3L 4気筒ガソリンターボで、最高出力は280ps。エディション仕様でも、最高出力は変わらない。

ステーションワゴンには装備されないが、ハッチバックには、トルクベクタリング機能付きの電子制御リミテッドスリップ・デフが組まれる。アルミホイールは19インチの新アイテムで、バネ下重量を従来から10%削るという。

フォード・フォーカス ST 2.3エコブースト・エディション(英国仕様)
フォード・フォーカス ST 2.3エコブースト・エディション(英国仕様)

ドアを開くと、フォードの「シンク4」インフォテインメント・システムが稼働する、13.2インチ・タッチモニターとメーター用モニターがお出迎え。スマートフォンとワイヤレスで連携可能で、バング&オルフセン社製のプレミアム・オーディオも装備する。

エディション仕様は装備も充実。バックカメラやワイヤレス充電パッドなどが標準だ。スポーツシートは、腰痛へ配慮された新デザイン。広範囲に位置を変えられるランバーサポートを内蔵し、多様な体格の人が理想的な運転姿勢を取れると主張される。

実際に座ってみると、腰回りがしっかり支えられて快適。だが、太股部分のサポート性はもう少し欲しいと感じた。ヘッドレストが背もたれと一体だから、首や肩まわりがしっくり来ない人もいるだろう。

荷室は、ハッチバックで375L。ステーションワゴンは575Lへ大きくなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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