【同乗の小学生のみ死亡】 フェラーリ運転の医師を責めるだけ、では子どもの車外放出事故はなくならない!

公開 : 2024.08.20 06:25

祖父母のクルマにわが子を乗せる時は要注意!

事故を扱った広島県警に女児の車外放出による死亡含めて、このような事故が今後起きないようにするにはどうしたらよいか? という質問をしてみた。

返ってきた答えは以下となる。
「2022年6月18日に福山市内で発生したこの事故に限らず、日常発生している悲惨な事故はたくさんありますが、歩行者を含めて道路を利用するすべての人が各種法令や交通ルールを順守するとともに、安全確認を徹底するなど交通事故防止に努める必要があります。

2022年6月18日に広島で起きたフェラーリとワゴンRの「右直事故」
2022年6月18日に広島で起きたフェラーリワゴンRの「右直事故」    加藤博人

広島県警としては、あらためてすべての座席でのシートベルト着用と交通安全教育、悪質な交通違反の取り締まりを強化していきます」

高齢者は特に乗車中の子どもに対する危機意識が薄く、孫が嫌がれば点数稼ぎのためか? 「ベルトしなくていいよ」などと言ってしまう傾向がある。知人家族の話だが、祖父運転の軽自動車で自損事故を起こした際、後ろにはジュニアシートもシートベルトもしていない小学生(8歳)と幼稚園生(5歳)の孫二人が乗っていた。

30km/h程度でガードレールへの衝突だったが、孫二人はシートから転げ落ち前のシートの背もたれと窓ガラスで頭を強打するなどのけがを負った。命に別状はなかったものの、もう少し速い速度なら車外放出で死亡した可能性もあった。

夏休みに入り、実家へ帰省したり、祖父母にわが子を預けたりする機会も増えるだろう。祖父母運転のクルマにわが子を乗せる機会があるなら親自身がチャイルドシート(身長100~150cmまではハイバック型ジュニアシート)を用意してしっかり装着させて欲しい。

年間1万人以上の小学生が自動車乗車中にベルト(ジュニアシート)を正しく着用せず事故で死傷している。祖父母や子どものいない親類はチャイルドシートの重要性などほとんど理解していない。一般道路でも後部座席でも年齢を問わずシートベルト着用の義務があることも知らないケースが多い。

楽しい夏休みが悲劇の時間とならないよう、乗車中の子どもは確実に守ってあげて欲しい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。
  • 撮影

    加藤ヒロト

    Hiroto Kato

    山口県下関市生まれ、横浜在住。慶應義塾大学環境情報学部に在学するかたわら、各自動車メディアにて「中国車研究家」として中国の自動車事情について「クルマ好き」の視点で多様な記事を執筆する。また、自費出版で中国モーターショーのレポート本「中国自動車ガイドブック」シリーズも手掛けている。愛車は1998年型トヨタ カレンと1985年型トヨタ カリーナED。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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